閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
2019年12月3日 金属企画部 小口朋恵

チリ:CODELCO、社会抗議活動の影響で銅生産者世界1位の座から転落か

 2019年11月27日付け地元紙は、膨大な借金を抱えるCODELCOが、社会抗議活動の影響で更なる融資を受けられず銅生産者1位の座を明け渡す可能性に言及している。
 CODELCOは、20bUS$を投じ、10年間かけて古い鉱山の近代化や生産減少回避を行う計画であるが、昨今の社会抗議活動により必要な政府資金を得られなくなる可能性が生じている。BMO Capital Markets社のColin Hamilton社長は、「CODELCOが資金不足によりその計画を遅らせることもありうるが、古い鉱山が生産する低品位鉱石の処理費用は増大している。得られる融資を増やしたいが、その融資額は(2019年第2四半期末時点で16.1bUS$と)記録的に膨らんでいる。結果として、政府の資金援助がない状態では、今後3~4年のうちに世界一の銅生産企業の座を降りることになる」と指摘している。
 Piñera大統領は、CODELCOの財政に関する議論は国会の税制改革法承認後に始まるとしていたが、10月中旬から始まった社会抗議活動によりこの議論は行われておらず、税制改革法も頓挫したままである。

ページトップへ