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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2020年1月8日 北京 塚田裕之

中国:2020年銅スクラップ輸入認可ライセンス(第1期分)発行

 現地報道によれば、2019年12月23日、2020年固体廃棄物輸入制限類認可ライセンス(第1期分)が発行された。銅スクラップの輸入に関わるライセンス量は27万885tで、2019年に輸入した銅スクラップの平均品位80%で推計すると、おおよそ金属量21.7万tに相当する見込み。今回発行した輸入許可ライセンスは、2020年第1四半期の銅スクラップ輸入に係る許可ライセンスである。2019年第1四半期では、合計銅スクラップ36.5万t(実物量)を輸入、これは金属量28万tに相当する。2020年第1四半期では、他の地域では許可ライセンスの発行の再チャンスがあるため、第1四半期のライセンス発行量は増える余地がある。ライセンス量上位6位の企業の輸入量から見ると、2020年第1四半期銅スクラップの認可量は、2019年の輸入実量とほぼ一致しているが、2019年第3四半期に発行した銅スクラップ輸入ライセンス(第1期分)70%から大幅に減少した。

(単位:t)

企  業 2020年許可ライセンス(第1期) 2019年許可ライセンス(第1期) 2019年Q1輸入実量
寧波金田銅業(集団)株式有限公司 73,710 118,178 76,006
浙江巨東株式有限公司 18,000 18,510 5,881
寧波華成バルブ有限公司 9,180 12,071 11,115
浙江海亮株式有限公司 8,720 7,790 11,908
寧波世茂銅業株式有限公司 8,270 11,719 8,108
四会市京統金属資源再生有限公司 7,000 9,000 10,438
合計 124,880 177,268 123,456

 2019年上半期は申請すれば銅スクラップを自由に輸入できる状態で、2019年上半期の輸入量から生産需要の実情を反映できる。現在、上位6位の企業に支給した輸入ライセンス(2019年第1四半期)は、2019年の輸入実量と一致していることから、現在の輸入ライセンスで国内の銅スクラップを原料としている企業の生産を満たすことができると推定されている。今後、許可ライセンスの発行量は減少する見込みで、銅スクラップの輸入に影響が及ぶ。特に2020年に再生銅資源の輸入政策を実施予定であり、一部品位の高い銅スクラップを一般商品として自由に輸入できるという点で、非常に重要なポイントとなる。
 2019年11月に浙江省寧波市で開かれた再生金属フォーラムで、再生金属協会の関係者は、「来年(2020年)、固体廃棄物の輸入総量は2019年より大幅に減少する見込み。2020年末までに固体廃棄物の輸入量をゼロにすることを目標としており、2020年の輸入ライセンスは依然として四半期ごとに審査発行し、第1四半期の輸入ライセンスは2019年12月31日までに発表される。12月1日より各省からの申請資料の受付を開始し、第1四半期の許可ライセンス発行量は年間輸入量に占めている割合が若干高い。同時に再生銅・アルミ原料基準の公表・実施業務を推進し、一般商品としての輸入を管理し、企業は2つの方法から原料を輸入でき、企業の通常の生産には大きな影響を与えない。」と述べていた。
 今回の輸入ライセンスに関わる企業数は108社で、それぞれ浙江省、広東省、山東省、江西省、安徽省に位置している。そのうち浙江省の発行量が最も多く、企業数は57社におよび、発行総量の70%以上を占めている。広東省では42社、発行総量の23%を占めている。浙江省、広東省だけで国内発行総量の95%近くに達している一方、他の地域の発行量は極めて少ない。なお、2019年に許可ライセンスを取得した天津市、広西省、河北省の企業は今回の発表リストに入っていない、さらに2019年に許可ライセンスを取得した一部の大中規模企業も今回のリストに入っていないことから、今回第1四半期の許可ライセンスリストがすべて発行完了していないことが想定される。

許可ライセンス発行地域
地  域 企業数 許可ライセンス発行量(t) 占めている割合
浙江 57 193,435 71.4
広東 42 63,340 23.4
山東 3 7,140 2.6
江西 4 4,800 1.8
安徽 2 2,170 0.8
合計 108 270,885  
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