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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2020年1月21日 金属企画部 小口朋恵

チリ:環境監督庁、SQM社の環境対策実施計画に対する環境裁判所の無効判断を提訴

 2020年1月15日付け報道によると、環境監督庁(SMA:Superintendencia del Medio Ambiente)は、チリ・Antofagasta州環境裁判所がSQM社の環境対策実施計画に対して、Atacama塩湖への環境影響を理由に取り消した判決に対し、控訴したと報じている。
 環境監督庁は、数年に亘る調査の結果SQM社がAtacama塩湖のかん水を過剰採水していたとし、同社が是正した環境対策実施計画を2019年に承認していたが、同年12月、Antofagasta州環境裁判所は過剰採水対策が「不十分」だとしてこの承認を無効としていた。
 これに対し環境監督庁は、環境裁判所での議論は事実無根であり、環境監督庁が慎重に検討した前例を無視している、こうしたミスが誤った判決に至った、と63頁に亘る資料で反論した。
 環境監督庁の控訴により、本件は最高裁判所で審理されるが、ここで勝訴しなければ制裁プロセスに入ることになり、リチウム生産拡張計画の実現が困難になることが予想される。
 なお、当地において水資源は、SQM社のみならず同業他社のAlbemarle社にとっても生産計画策定の際に論争の対象となっている。

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