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2020年1月24日 メキシコ 佐藤すみれ

メキシコ:AMLO大統領、鉱業規制見直しに言及、専門家は国内鉱業への影響を不安視

 2020年1月21日付け地元紙は、Andrés Manuel López Obrador(AMLO)大統領が、2021年末までに鉱業規制を見直し、環境的および社会的規範の強化を計画していると発言したことを報じ、これを受け専門家は、改正に向けた具体的な動きがあった場合、メキシコ鉱業部門の将来的な存続を脅かすと警告している。改正の具体的な内容は不明であるものの、以前から与党・国家再生運動(Morena)からの圧力が生じており、鉱業プロジェクト開発に係る地域住民協議が提唱されたほか、2018年には上院より鉱業法改正イニシアチブが提出されていた(同イニシアチブは2019年に否決されている)。Control Risks社のアナリストによると、今後メキシコは新たなプロジェクト開発国としては魅力を失うことが予測され、現に投資機会は他のラテンアメリカ諸国に移っており、一連の規制拡大は政府にとって本当の最優先事項ではないであろうと述べた。また、すでにメキシコで操業を行っている企業は活動を続けるものの、新規の企業による参入は見込めなくなるとも述べた。
 AMLO大統領はこれまでに付与された鉱業コンセッションが国土の40%を占め、今後新たなコンセッションは付与しないと強調しているものの、加Endeavour Silver社CEOによると、石油およびガスを除いた実際の数字は約12%であるとし、カナダ、米国、チリ、ペルーと比較しメキシコは鉱業コンセッションが占める割合が低く、大統領の発言に矛盾が生じていることを指摘している。しかしながら、他のアナリストには前向きな意見を示す者もおり、鉱業法改正イニシアチブの否決は鉱業界にとってセンセーショナルな結果であり、同イニシアチブは鉱山企業の社会的影響に関する年次報告書提出の義務付けが目的のひとつであったが、多くの鉱山企業がすでに実行していると述べた。

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