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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2020年1月31日 メキシコ 佐藤すみれ

メキシコ:2020年注目の探鉱プロジェクト

 2020年1月28日付け地元紙は、2020年国内鉱業部門にとって重要となる各社の探鉱プロジェクトとして、以下5件を取り上げている。
1.Las Chispas金・銀プロジェクト(加SilverCrest Metals社、Sonora州)
 加SilverCrest Metals社は2020年に計125,000mのボーリングプログラムを完了させる計画であり、第1四半期はFS結果に記載する資源量を追加するため探鉱に注力し、2020年中に埋蔵鉱量を計算するほか、現時点で資源量に含まれていない26の鉱床において探鉱を行う計画である。Las Chispasプロジェクトは国内で最も収益性が高いプロジェクトの一つとされ、2019年に発表された予備的経済性調査によると、税引き後のIRRは78%と試算されている。また、投資額は100mUS$、生産量は銀167.96t(5.4百万oz)、金1.73t(55,700oz)と発表されているが、今後のFS結果によって変わる可能性がある。
2.Media Luna金プロジェクト(加Torex Gold社、Guerrero州)
 加Torex Gold社は、Guerrero州に保有するEl Limón-Guajes金鉱山がフル操業に達したことから、現在は同州に位置するMedia Lunaプロジェクト開発に注力している。探鉱投資額は49mUS$で、そのうち13mUS$を投じて行われるボーリング調査の結果は2020年内に行われるFSに含まれる。同プロジェクトは国内最大級の貴金属プロジェクトの一つとされ、2018年に発表された予備的経済性調査によると、投資額は496mUS$、10.5年のマインライフの間の金生産量は67.81t(2.18百万oz)と試算されている。
3.San Dimas銀プロジェクト(加First Majestic Silver社、Durango州)
 本プロジェクトは加First Majestic Silver社が国内に保有する最大資産であり、同社は2020年の探鉱投資額28.2mUS$のうち、10.4mUS$を投じる計画である。過去2年間に国内で操業する4件の鉱山において操業を一時中止したことから、San Dimasプロジェクト開発は同社にとって重要な焦点となる。同社は2020年1月に、同プロジェクト内のOeste、Central、Tayoltita地域における計84,750mのボーリング調査を完了させる目標を発表している。
4.La Colorada Skarn多金属プロジェクト(加Pan American Silver社、Zacatecas州)
 投資額7.5mUS$のもと、加Pan American Silver社はLa Colorada Skarnプロジェクトにおいて計44,000mのボーリング調査を計画している。同社CEOはLa Colorada Skarnが世界的規模の鉱床であると認識しており、この探鉱は同社の最優先事項と位置付けられている。予測鉱物資源量は73.5百万t、このうち銀3,172.55t(102百万oz)、亜鉛3.2百万t、鉛1.5百万t、銅121千tと発表されている。
5.Mulatos金鉱山新鉱床開発プロジェクト(加Alamos Gold社、Sonora州)
 加Alamos Gold社は、保有するMulatos金鉱山付近のEl Carricito及びLa Yaqui Grande鉱床の開発に向け、7mUS$を投じ計14,000mのボーリング調査を計画しており、2020年上半期には鉱山建設計画を決定するとみられる。

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