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2020年2月14日 リマ 栗原健一

ペルー:Liuエネルギー鉱山大臣が辞任

 2020年2月11日付け地元各紙によると、Vizcarra大統領は2月10日、2019年10月3日に就任したLiuエネルギー鉱山大臣の辞任を承認したことを明らかにした。
 辞任の背景は以下のとおり。2019年半ば、ペルー国内外で様々な汚職問題を引き起こしたOdebrecht社が、ペルー南部ガスパイプラインプロジェクトに係る便宜を受けるため合計3mUS$以上の不正な支払いを行ったことを示す報告書が公表され、検察による捜査が開始された。
 2020年2月4日、Odebrecht社は、頓挫した本プロジェクトの開発契約に関して、ペルー政府に対し1,200mUS$の賠償金の支払いを求め国際投資紛争解決センター(ICSID)への仲裁請求を行った。
 2月9日、現地報道番組は、Liu前大臣がエネルギー鉱山省(MINEM)の顧問だった2011~2012年に、自身が代表を務めていたCONASAC社を通じてMINEMへのコンサルタント業務を行ったこと、CONASAC社がMINEM向けに作成した報告書の中で、Odebrecht社がペルー南部ガスパイプラインプロジェクトに必要な融資を確保できるとの見解を示した。
 本報道を受けて、前大臣に対する説明や責任を求める声が高まる中、Odebrecht社を巡る汚職事件の担当検事は、本報告書が、Odebrecht社をはじめとするコンソーシアムによるプロジェクト落札の動機を作ったとして、共謀の証拠であると指摘している。一方Liu前大臣は、本報告書が政府によるプロジェクト入札決定の主要因となったわけではないとしたほか、あくまでも透明性をもって行動したと主張している。

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