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中国:新型コロナウイルス肺炎感染拡大が中国鉄鉱石、石炭の輸入に衝撃を与える
現地報道によれば、中国で発生している新型コロナウイルスによる肺炎の感染による商品市場への影響は、予測不可能な変数が多く、憂うものとなっている。初期の状況から見ると、貨物の出荷は影響を受けている。金融データ機構Refinitiv社が作成した船舶追跡データと港の関連データによると、2020年2月初めから現時点まで、中国の鉄鉱石輸入レベルは前数か月より遥かに低く、前年同月比でも低かった。中国の港で荷揚げを待つ船舶の行列は通常より長くなっており、荷揚速度も非常に遅い。物流面でも停滞が生じており、中国鉄鉱石の輸入が急激に減少しているだけではなく、通常の貨物運送量に戻ることも困難となっている。中国では、新型コロナウイルスによる肺炎の感染で既に多数の死者や感染者が出ており、旧正月後、中国政府はウィルス感染の拡大防止に努め、多くの作業場は依然として閉鎖している。そのため、経済活動が一時的に中断されている。
鉄鉱石貨物の荷揚げも影響を受けた。Refinitiv社のデータによると、2020年2月最初の12日間は211隻の船舶から28.2百万tの貨物を荷揚げを行い、前年同月の33.4百万tより多少下がった。現在まで、2月の鉄鉱石荷揚げ量は2.35百万t、1月の2.93百万tと2019年12月の3.09百万tよりも下がっている状況にある。データによると、積載量10.3百万tである66隻の船舶は、荷揚げを待ちの状態であり、積載量6.7百万tの41隻の船舶は荷揚げ作業中である。その他、192隻積載量31.8百万tの船舶が中国に向かっており、2月末には港に到着予定としている。以上データによると、2月には約77.6百万tの鉄鉱石が中国に到着予定で、1月の90.9百万tや2019年12月の95.8百万tより少ない。今後、増える可能性はあるが、2月は低調となる見通しである。
石炭については、2月初めの12日間、111隻の船舶から6.8百万tが荷揚げされ、1日当たりの荷揚げ量は566千tであった。これは、2019年2月初めの12日間の1日荷揚げ量517千tより上回るが、1月の803千t/日や2019年12月の658千t/日よりは遥かに少ない。47隻の船舶が荷揚げ待機中で、90隻の船舶が中国へ向かっており、2月末には到着予定である。仮に、これらの船舶が期限通りに到着し、荷揚げ作業を完了しても2月の海上石炭運送輸入量は20百万tに達し、過去数か月と比較すると多少の差が生じる。2月の主要商品輸入は制限される可能性があるが、感染による需要減少でなく港湾の通常稼働再開が課題となる。
