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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2020年3月4日 ジャカルタ 南博志

インドネシア:2020年のニッケル鉱石生産量は大幅減の見通し(安価な国内価格等の問題により)

 2020年2月11日付け地元メディアによると、インドネシアニッケル鉱業協会(APNI)のMeidy Katrin Lengkey事務局長は2月10日、2020年の国内ニッケル鉱石生産量が2019年比約52%減の25百万tと大幅減となる見通しであることを明らかにした。ただし、2019年生産量は2018年比約2.4倍の52.76百万tであったことから、2018年生産量からは増える見通しとなる。同事務局長は、国内鉱石価格が国際価格より低く抑えられている状況は変わっておらず、2020年1月からのニッケル鉱石全面輸出禁止で利益を生み出すことができなくなったため、2020年の操業を一時停止した鉱山会社があることが大幅減見通しの要因であると述べた。また同事務局長は、国内鉱石価格についてHPM(鉱物ベンチマーク価格:政府が毎月設定している)を基準に決定することを義務付け、違反会社には制裁措置を科す規定の制定を強く希望した。さらには、鉱石生産量大幅減の見通しにより既存国内ニッケル製錬所の鉱石需要を満たすことができない可能性があることを指摘した。
 一方、インドネシア製精錬事業者協会(AP3I)のPrihadi Santoso会長は、2020年は新型コロナウイルス肺炎感染拡大による中国のニッケル製品(NPI、FeNi等)需要減の影響もあるため、国内製錬所の鉱石需要を満たすことは可能との見方を示している。
 また、2月17日付け地元メディアによると、鉱石価格の件に関しては、インドネシア若手起業家協会(Hipmi)もAPNIの政府に対する上記希望を支持し、鉱山会社と製錬会社で合意が得られるよう願っている旨を表明した。同協会はまた、公正性の確保のため鉱石取引において政府に登録されている分析機関が品位を分析できるようにすることを提案した。

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