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ペルー:政府、国家緊急事態令期間において、例外的に許可される鉱業セクターの活動を規定
2020年3月15日、ペルー政府は新型コロナウイルス肺炎への対策として、ペルー全土に15日間の国家緊急事態令を発出した。これにより、保健医療や食品など生活必需品の購入を除き、集会や移動の自由をはじめとする憲法上の権利の制限のほか、3月16日23時59分から陸海空河川すべての国境封鎖が決定された。
本決定を受けてエネルギー鉱山省(MINEM)、地質鉱業冶金研究所(INGEMMET)、ペルー原子力研究所(IPEN)、環境評価・監査庁(OEFA)も3月16日より全国における職員の業務や受付・対応サービス業務を停止するほか、現在手続き中の行政手続きに関しては、期限の進行を停止するとの声明を発表した。
3月16日付け地元各紙によると、国家緊急事態令の鉱業セクターへの適用に関して、Zeballos首相は、国家緊急事態令は鉱業セクターや鉱山労働者にも適用されるとの考えを示した一方、ペルー経団連のLeon会長は3月16日、「鉱業キャンプ地における活動を15日間停止することは不可能だ」との考えを示し、同日中に業界団体がMINEMとの協議を実施するとしたほか、政府からは一貫性ある指針が示されるべきだと意見した。また、ペルー鉱業技師協会(IMP)は、操業鉱山においては採掘エリアにおける排水システム、坑道内の換気システムや産業排水処理など、(緊急事においても)継続が必要とされる最低限のメンテナンス活動が存在し、これらを担う専門の人員が必要とされるとの声明を発表した。さらに、これらは環境負荷の発生回避や、万全の生産再開のために必要な業務であると説明していた。
MINEMは3月17日、国家緊急事態令(大統領令DS044-2020-PCM)適用期間における例外的措置として、鉱業セクターにおける以下の活動を許可すると発表した。DS044-2020-PCM第4条には、国家緊急事態令の期間中も例外的に許可される活動の種類が規定されており、さらに同条L項は、経済財務省(MEF)が各産業セクターの管轄機関との調整に基づいて、これらセクターにおける必要不可欠な活動を追加的に許可することができる旨定められている。この規定に基づいて、「採掘、鉱物処理、閉山のほか、国家利益に資すると宣言された鉱業プロジェクトの建設、非従来型の鉱物輸送、精鉱や処理加工済みの鉱物の輸送と貯蔵」を含む以下の活動のほか、本措置に基づく活動を実施する鉱業権者が、履行しなければならない事項が規定された。
1. 操業鉱山は、最も重要度の高い操業の継続や、国家緊急事態令の期間終了後の通常操業再開に必要不可欠な従業員を鉱山に移動させることができる。そのために、各鉱業権者は、重要度の高い操業の継続の保証のために必要最低限の従業員を(社員やコントラクターの中から)選定しなければならない。
2. 鉱業権者は、鉱業安全・職業衛生規定(DS024-2016-EM)及びDS037-2017-EMの最終補完規定第1条に基づき、緊急時準備・対応計画を策定・更新しなければならない。
3. 国家緊急事態令の期間中、各鉱業権者は、鉱山における衛生保護を保証するため、モニタリングや安全に係る方針を承認・実行しなければならない。
4. 鉱業権者は、保健省(MINSA)の定めるCOVIC-19感染の予防・抑止・緩和プロトコルを、衛生管理活動の枠組みの中で履行しなければならない。
さらにMINEMは、DS044-2020-PCM第8.3条と第9.3条にて貨物・物資の輸送が許可されていることに基づき、鉱業権者が、精鉱、アノード、カソード、ドーレのほか、操業や物流サイクルの保証に必要な物資の輸送や活動を継続することができると発表した。
