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中南米:新型コロナウイルス肺炎によるカリブ諸国各鉱山操業への影響
2020年3月18日付け地元紙は、新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)に対する中米・カリブ諸国による対応を報じており、多くの国で出入国制限が取られているものの、現在のところ鉱山操業に対する影響は比較的少ないとみられている。
・ホンジュラス
国内で9件の症例が確認された後、政府は国境封鎖措置を講じ、4都市で夜間外出禁止令が出されている。ほぼ全ての行政機関及び一般企業の活動が停止している中、加Ascendant Resources社が保有するEl Mochito亜鉛・鉛・銀鉱山をはじめとする複数鉱山において操業が続けられている。同社の投資家向け広報担当者は、El Mochito鉱山は地元労働者にとって生活の要であることから、世界保健機関(WHO)や医療機関による感染予防の方針に従い鉱山操業を続けているという。
・ニカラグア
現在国内での感染例は1件で、現在まで政府は出入国制限を設けておらず、国内に2鉱山を保有する加Calibre Mining社副社長に対し行ったインタビューによると、同国における操業や供給に影響は生じておらず、鉱山内の従業員に対し衛生管理の徹底を呼び掛けているという。
・パナマ
パナマにおける感染者数は86名と中米・カリブ地域内で最も多く、最初の感染例が確認された3月9日より増加が続いている。政府は現在出入国制限を行っているが、Cobre Panamá鉱山を保有するFirst Quantum Mineral社はこれに関連した同鉱山への影響等を発表していない。
・ドミニカ共和国
これまでの感染者数は20名で、政府は3月17日に国民向けの演説で非常事態宣言を行い、18日付けで施行されるとみられるほか、19日より15日間国境が封鎖される予定である。同国にはラテンアメリカ最大の金鉱山であるPueblo Viejo鉱山が操業中であるが、同鉱山を保有する加Barrick Gold社は操業への影響に関し発表していない。一方で現地紙によると、中国の需要減少により複数のフェロニッケル鉱山が操業を一時中止している。
・その他
グアテマラでは中米・カリブ地域で初の死者が出たこともあり、外国人に対する入国制限を行っているが、主要鉱山である加Pan American Silver社のEscobal銀鉱山及び露Solway Investment Group社のFénixニッケル鉱山は、ライセンス取り消しにより引き続き操業停止の状態にある。キューバでは大規模イベントの中止が命じられたほか、新たな感染防止対策が計画されている。Moaコバルト・ニッケル鉱山を保有するSherrit社は操業への影響を発表していない。