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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト ニッケル
2020年3月24日 ジャカルタ 南博志

インドネシア:新型コロナウイルス肺炎感染拡大によるインドネシア鉱業への影響(その2)

 標題のニュースに関して、2020年3月以降の地元メディアの報道を取りまとめた。
 3月3日付け地元メディアによると、南東Sulawesi州konawe工業団地においてPT Virtue Dragon Nickel Industryが進めているステンレス工場及び2か所目のNPI製錬所の建設の進捗に影響が出るだろうとのこと。中国人労働者300~400人が中国から再入国できなくなったことが主な理由である。エネルギー鉱物資源省は、現在目立った遅れは無いものの遅かれ早かれ影響は出るだろうとした。また、3月19日付け地元メディアによると、同社に採用されて中国からタイ経由で新規に入国した中国人労働者49名が南東Sulawesi州の空港に到着したことが、市民のSNSへの投稿により判明し騒動となったとのこと。労働者はタイで2週間の検疫を終えて入国しており、入管手続きには問題が無かったが、南東Sulawesi州及び同社は念のために健康チェックを行い社内施設での隔離措置をとった。
 その他ニッケル関係では、3月15日付け地元メディアによると、PT Vale Indonesiaは、2月、同社のニッケルマットは中国には輸出しておらず影響は無いと述べていたが、改めてその製品の生産・販売には影響が出ていないとし、また、中部Sulawesi州Morowali県Bahodopi及び南東Sulawesi州Kolaka県Pomalaaで進めているニッケル製錬所開発2件の進捗にも影響は出ていないと述べた。また、3月13日付け地元メディアによると、銅生産者のPT Freeport Indonesia(PTFI)及びPT Amman Mineral Nusa Tenggara(AMNT)は、2月と変わらず操業・生産及び新規国内製錬所建設に現時点では影響は出ていないと述べた。さらに、3月19日付け地元メディアによると、アルミニウム生産者のPT InalumとPT Antam(PT Aneka Tambang)の西Kalimantan州Mempawah県でのスメルターグレードアルミナ工場建設についても現時点で進捗に影響は出ていない。
 一方、3月18日付け地元メディアによると、錫関係ではPT Timahが、既に錫の電子製品等向け需要減による影響を受けており、月間の生産目標量が約20~30%削減されていると述べた。
 なおインドネシアでは、3月2日の初感染者の判明以降、3月19日時点で感染者累計309人、死者25人となっており、現在、日本を含む外国人渡航者全員のビザ免除措置の停止、空港での到着ビザ発給中止等の入国規制措置をとっている。また、新型コロナウイルス肺炎感染拡大による国内経済への影響に鑑みて、観光業や貧困層への支援拡大等を盛り込んだ総額10兆3,000億IDR(インドネシアルピア:約800億円)の景気刺激策第1弾(2月)に次いで、3月13日に総額22兆9,200億IDR(約1,790億円)の製造業向け税負担軽減等を盛り込んだ第2弾を発表、さらに医療保険部門支援や貧困層へのさらなる支援拡大等が盛り込まれる第3弾を準備していることを明らかにしている。

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