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ニュース・フラッシュ

鉱種:
クロム
2020年4月3日 ヨハネスブルグ 原田武

南ア:クロム生産者、ロックダウンに伴い不可抗力を宣言

 2020年3月31日付け報道によると、世界最大のフェロクロム生産者の一つであるSamancor Chorome社は、新型コロナウイルス肺炎の感染拡大を受けた南アのロックダウンに伴い不可抗力を宣言した。南ア政府の感染予防措置に従い、3月26日から21日間、坑内採掘や製錬所の操業を保守管理に移行した。白金・クロム鉱石を生産する南アTharisa社も同様に不可抗力宣言を発動した。尾鉱廃滓を再処理し金属回収を行うクロム生産者のJubilee Metals社も保守管理に入っている。GlencoreとMerage Resources社とのJV事業であるRustenburgフェロクロム製錬所も同様に保守管理に入っているが、不可抗力宣言の発動については不明となっている。
 2019年、中国は、クロム輸入の83%に相当する12.5百万tを南アから輸入した。特に、クロム精鉱の輸入を南アに依存しているが、中国のステンレスメーカーによると3か月以上のストック(約4百万t)が港にあるという。また、欧州や米国においても新型コロナウイルス肺炎拡大の影響でステンレス需要が低迷しており、南アのロックダウンはクロム価格の上昇には繋がらないとする見方もある。

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