閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
2020年4月10日 バンクーバー 佐藤すみれ

パナマ:Cobre Panamá銅鉱山、COVID-19感染の労働者が死亡、操業中止を求める圧力に直面

 2020年4月6日付け地元紙の報道によると、Cobre Panamá銅鉱山の労働者1名が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により死亡したことから、政府は加 First Quantum Minerals社に対し操業停止を求めている。Cortizo大統領は2020年3月に不要不急の経済活動を30日間自粛するよう指示していたが、同国の鉱業活動はExecutive Decree 500に基づいて、厚生労働省による確立されたプロトコルに厳格に従うことで許可されていたため、Cobre Panamá鉱山はすでに複数の労働者の感染が確認されていたにもかかわらず、政府より活動継続許可を与えられていたことから操業停止措置は取っていなかった。政府は今後医療チームを同鉱山に派遣し状況把握と労働者の健康を守るための方針を調整するほか、健康省は同鉱山の6千人の労働者に対しPCR検査を実施するよう命じている。また、この状況を受けパナマ鉱業建設・開発組合(STM)は直ちにCobre Panamá鉱山の操業停止を要請した。
 同鉱山はパナマ市の西約120kmに位置し、First Quantum社が子会社のMinera Panamá社を通じて90%権益を所有する銅鉱山である。
 Minera Panamá社は亡くなった労働者に対し追悼の意を表したうえで、公衆衛生サービスによる検査を受けた際、同労働者は陰性であることが確認されており、死因がCOVID-19感染によるものかは確定されていないと述べた。
 Cobre Panamá鉱山の2020年目標銅生産量は285~310千tで、First Quantum社は一日あたりの最大生産量到達は感染予防対策により遅れが生じると予想しているものの、第2四半期生産量が当初計画を上回る場合、年間目標生産量を達成することが依然として可能であると発表している。一方で地元紙は、今回同鉱山で初の死者が確認されたことから、First Quantum社幹部及び政府に対しCobre Panamá鉱山の操業中止を求める圧力はより強まるとみられ、同鉱山の労働者間の感染防止は難しく、数千人規模で感染する可能性もあると指摘している。

ページトップへ