ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- レアアース/希土類
中国:海外の新型コロナウイルス肺炎感染状況により、レアアース業界の仕入価格が販売価格を上回る
現地報道によれば、2020年3月31日~4月3日におけるレアアース市場価格動向は弱含んでおり、ジスプロシウムやテルビウムを除く、各レアアース製品の価格は史上最低値を記録した。プラセオジム・ネオジム製品の仕入価格が販売価格を大幅に上回り、市場価格の下落傾向は未だ継続している。海外の新型コロナウイルス肺炎感染拡大状況の深刻化に伴い、需給環境は悪化しており、今後も楽観視できない。
2020年4月3日までに、世界の新型コロナウイルス肺炎感染者は100万人以上となり、且つ海外の感染者数は増加し続けているため、海外の下流産業では続々と生産中止宣言が発表されている。閉鎖や隔離措置を実施する国も拡大し続けている。中国国内の感染対策に関わる規制は徐々に緩和され、生産の再開もほぼ通常に戻っているが、世界市場の不振や縮小は始まったばかりである。
現在、国内のレアアース企業の生産は、感染状況による直接的影響をほとんど受けておらず、これまでの操業再開ブームも業界の一時的な後押しになったが、海外の新型コロナウイルス肺炎感染拡大により、需要面で被害を受けるようになる。磁石材料企業は、これまで生産停止により止まっていた発注を埋め合わせるため、4月初期の生産能力利用率は概ね高いが、今後の発注については既に減少することが明らかとなっている。国内のレアアース供給過剰問題はより厳しくなり、業界競争もますます激しくなる。
