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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2020年5月1日 北京 塚田裕之

中国:2020年3月、国内銅カソード生産状況について

 安泰科調査研究データによると、2020年3月のサンプル企業22社の銅カソード生産は対前年同月比5.9%減の66.5万tで、対前月比2.6%増となった(2月の修正後データは64.9万t)。一部製錬企業による点検作業の実施や新型コロナウイルス肺炎感染拡大が、3月の銅カソードの生産に影響を与えている一方、これまで抱えている硫酸在庫過剰問題や販売問題が若干改善されており、下流企業による需要も増え続けている。企業の在庫過剰問題が緩和されると同時に、3月中上旬の現物銅精鉱加工費も70US$/tを上回った。企業の生産状況も緩和され、3月の銅カソード生産は前月と比べ増加となった。これらサンプル企業の2020年1~3月の銅カソード生産量は、対前年同期比5.1%減。生産規模1百万t/年以上のサンプル企業の2020年3月の生産量は、対前年同月比4.3%増の41.0万tで、前月からほぼ横ばい。金川集団は、点検作業の実施により生産量が減少したが、江西銅業や中国銅業有限公司の生産はほぼ安定している。生産規模300千t/年以上1百万t/年以下のサンプル企業は、対前年同月比23.1%減の13.0万tで、対前月比23.7%の増加となった。山東省や河南省の重要企業における減産が、対前年同月比大幅下落の原因となった。生産規模100千t以上300千t以下のサンプル企業は、対前年同月比13.6%減の12.5万tで、対前月比6.1%減少した。新型肺炎感染拡大や点検作業の実施の影響が、製錬企業の生産量の減産原因となった。4月には、琿春紫金鉱業有限公司、雲南錫業集団、豫光金鉛及び中条山有色金属集団有限公司等傘下の製錬企業が点検作業を実施予定のため、銅カソード生産量は減少する見込み。
 3月中旬以降、南米やアフリカでの新型肺炎拡大が深刻化しているため、世界の銅資源国は次々に厳しい規制を取り入れており、世界の大手銅鉱山では、建設作業、港湾運送に多大な影響があり、世界の銅鉱石の供給不足がより深刻化している。3月中旬以降、現物銅精鉱の加工費が低下していることからも証明される。中国国内の製錬企業も、銅精鉱在庫(港の在庫数も含む)が減少傾向で、通常生産に大きな影響を与える予想。海上運送による出荷スケジュールを考慮すると、国内の製錬企業への影響は5月頃に現れ始める見込み。
 その一方、国内の硫酸販売問題や銅地金の在庫過剰問題は解消されつつある。4月、国内の銅カソード生産量は前月と比べ小幅に上昇し、対前年同月比は依然として減少予想である。22社サンプル企業の銅カソード生産量は68万t以上に回復する予想。

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