スウェーデン：Boliden社、2020年第1四半期決算を公表

　2020年4月28日付けで、スウェーデンBoliden社は2020年第1四半期決算を公表した。鉱山部門の営業利益は、大幅な金属価格の低下と金属グレードの低下により、前年同期の1,353mSEK（スウェーデン・クローナ）から318mSEKに減少した。アイルランドのTara亜鉛鉱山では、鉱石のベルトコンベアの故障による生産停止と新型コロナウイルス肺炎による制限のため、粉砕量が大幅に減少した。また、製錬部門の営業利益（仕掛品の再評価分を除く）は、価格や生産条件の改善による好影響により、前年同期の853mSEKに対して1,117mSEKであった。
　新型コロナウイルスの影響に関しては、短期的な操業停止の増加、物流の混乱、原料供給、予備品の確保などに高いリスクが残っており、製錬所で精鉱の在庫を若干増加させるなどこれらすべての領域の措置を開始した、としている。
　市場トレンドに関しても公表しており、同社によれば、2020年第1四半期後半に金属消費産業における生産が大幅に減少した一方で、貴金属の需要が増加した。南米と南アでは多くの鉱山が閉鎖し、中国では鉱山と製錬所ともに生産量が減少した。第1四半期末にはベースメタルの価格が高コストの鉱山では利益が出ない水準まで下落し、結果として閉鎖する鉱山もあったが、閉鎖した鉱山の多くは、現在の価格水準でも利益を上げている。したがって、制限が緩和されれば生産は再開されると予想している。