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ドミニカ・グアテマラ・ニカラグア:金生産量増加への貢献が期待される各プロジェクトの現状
2020年5月8日付け地元紙は、中米及びカリブ諸国の金プロジェクトの動向を報じており、以下複数のプロジェクトが今後実質的な金生産量増加に貢献すると期待されている。
・Pueblo Viejo金鉱山拡張プロジェクト(加Barrick Gold社、ドミニカ共和国)
Barrick社はラテンアメリカ最大の金鉱山であるPueblo Viejo鉱山の拡張工事を進めており、処理プラント拡張のための設備投資は当初より300mUS$増加し、1,300mUS$と発表されている。拡張完了後のマインライフは2040年まで延長されることとなり、2022年以降の年間金生産量は24.88t(800千oz)となる見込みである。同社は環境影響調査が完了するまでプロジェクトのベースライン調査を継続する計画である。
・Pueblo Grande金プロジェクト(加Precipitate Gold社・Barrick Gold社、ドミニカ共和国)
同プロジェクトはPueblo Viejo鉱山に隣接する。加Precipitate社は2020年4月に、Barrick社とEarn-in契約を交わし、Precipitate社が保有するPueblo Grande金・銅プロジェクトの権益最大70%を付与することで合意している。これにより同社は、ドミニカ共和国内に保有するPontón金プロジェクトをはじめとする探鉱に注力する計画を発表している。
・Cerro Blanco金プロジェクト(加Bluestone Resouces社、グアテマラ)
Bluestone社は2020年4月、Cerro Blanco金プロジェクト推進のため、加Canaccord Genuity社筆頭のコンソーシアムより92.0mC$(約65.3mUS$)を調達することを発表した。同プロジェクトの開発資金は196mUS$、年間金生産量は4.54t(146千oz)と見込まれている。
・La India金プロジェクト(英Condor Gold社、ニカラグア)
Condor社は2020年5月にAméricaオープンピットの探鉱及び採掘に対する環境許可を取得した。また、4月には同鉱山内のMestizaオープンピットの環境許可を取得しており、同鉱山の資源量は計34.84t(1.12百万oz)と報じられている。現在、生産のシナリオが評価段階にあり、La Indiaオープンピットにおける年間金生産量は2.49t(80千oz)~3.11t(100千oz)、MestizaおよびAméricaオープンピットにおける生産が開始した場合、同鉱山の合計年間金生産量は3.73t(120千oz)と試算されている。
・Borosi金・銀プロジェクト(加Calibre Mining社・Rio Tinto Exploration社、ニカラグア)
2020年2月、Calibre社はRio Tinto社に対し、合計45mUS$を段階的に支出する条件で同プロジェクトの権益を最大75%付与する契約を締結しているほか、共同探鉱契約も締結した。
・Romero金プロジェクト(加GoldQuest Mining社、ドミニカ共和国)
同プロジェクトは開発ライセンス取得プロセスの停滞が問題となっているが、GoldQuest社は現在の状況が良い方向へ転換することを期待している。Isa Condeエネルギー鉱山大臣は2020年4月、地元紙のインタビューに対し、COVID-19感染拡大により経済が低迷する中、金鉱山事業が経済回復に貢献するであろうと述べていた。この発言に対しGoldQuest社幹部は、Romeroプロジェクト開発により得られるものが政府の目標と一致していると確信しているとした。実際に開発へ移行するには、エネルギー鉱山大臣による開発ライセンス承認後、大統領による承認が必要となる。
