豪：Fortescue社、鉄鉱石の生産と輸出が好調で2008年以来初のネットキャッシュを計上

　2020年4月30日付けの地元メディアによると、豪Fortescue Metals Group社は、2020年3月31日時点のバランスシートにおけるネットキャッシュが100mUS$と、前年同日時点の2.9bUS$の純負債より大きく好転した。Fortescue社がネットキャッシュを計上するのは、同社が鉄鉱石輸出を開始した2008年以来となるが、この背景には鉄鉱石が高値を維持する中、WA州Port Hedland港からの鉄鉱石輸出量が2020年1～3月に42.3百万tと前年同期の38.3百万tから10％増加し、2019年4月～2020年3月の1年間で130.9百万tと、過去最高の水準に達したことがある。Fortescue社はこの好業績に基づき、2019/20年度における鉄鉱石輸出量の予測を170～175百万t/年から175～177百万t/年に上方修正し、Port Headland港からの輸出能力も175百万t/年から210百万t/年に拡大するとして環境ライセンス書き換えの申請をWA州水環境省に提出した。また、Fortescue社は事業拡大の一環として、WA州Greenbushesリチウム・タンタル鉱山を操業するTalison Lithium社（中国Tianqi Lithium社が51％、米Albemarle社が49％を保有）の権益をTianqi社から買収することを検討しているとの報道もある。