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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2020年5月28日 シドニー Whatmore康子

豪:中国税関当局が輸入鉄鉱石に対する品質検査を任意ベースに変更へ、豪州産鉄鉱石を圧迫する手段となる懸念も

 2020年5月21日付けの地元メディアによると、中国の税関当局は同年6月1日より輸入鉄鉱石に不純物や有害物質が含まれていないかを調べる品質検査を、現行の義務からトレーダーまたは輸入者の要請に応じて行う任意ベースへと変更することを発表した。この変更についてBHPは「我が社のような生産者や中国顧客にとって、より効率的な供給チェーンとなる」と歓迎するなど、豪州の鉱業企業の多くは輸出業務が合理化されるという点で、前向きな動きと捉えている。その一方で、一部のアナリストは豪連邦政府がEUと共に、COVID-19の感染拡大の経緯や発生源に関し調査するよう世界保健機関(WHO)に要請する中、中国が豪州産の大麦に対する追加関税や牛肉の輸入制限を発表するなど、両国間で貿易摩擦が生じていることを背景に、鉄鉱石に対する検査が任意ベースとなれば恣意的に豪州産鉄鉱石のみが検査対象となり、競合するブラジル産鉱石は検査対象とならないこともあり得るのではないかとの懸念を示している。

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