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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2020年8月3日 北京 塚田裕之

豪・中国:中国国内市場からの需要増により、豪州鉄鉱石の輸出は年間最高値に達する見込み

 現地報道によれば、中国国内市場の需要増加により、同国向けの豪州鉄鉱石の輸出が新型コロナウイルス感染拡大によるマイナス作用を緩和し増加した。2020年7月21日に豪BHPが発表した報告によると、2020年6月末までの1年間の鉄鉱石生産量は2.48億tと過去最高の水準に達した。Rio Tintoの鉄鉱石生産は前年同期比3%増の1.61億tであった。また、Fortescue Metals Group(FMG)社の年度生産量も最高値に達する見込みである。
 豪州鉄鉱石の生産量は、鉄鉱石価格の上昇に伴い増加しており、鉄鉱石価格は100US$/tという高水準にある。中国国内の鉄鉱石需要が増え、また、最大の競争相手である伯Valeが新型コロナウイルス感染拡大の影響で生産量を削減した。
 豪州からの鉄鉱石輸出は増加しているが、豪州から中国以外の世界各地への輸出は依然として少ない。この3か月で、中国の国内市場は回復かつ安定しつつある一方、日本や欧州各国の生産は本格的に回復しておらず、これら地域への輸出が一層減少する見込み。
 Rio Tintoによると、2020年上半期の輸出が増えた理由は、中国経済回復の早期段階で柔軟性のある取引方法を導入し、購入者は海運取引により納品時間を短縮し、与信枠を小さくすることにより小口の鉄鉱石を購入することが許可されたためとのこと。
 豪州資源省Keith Pitt大臣は、2019~2020年度内において、中国が輸入した鉄鉱石の62%は豪州から輸入したものであると述べた。経済が減退傾向にある豪州にとって、鉄鉱石は輸出商品として非常に重要である。データによると、2020年6月末までの過去12か月間、豪州の鉱業・エネルギー輸出額は300bA$(約1.5兆元)となった。

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