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中国:コバルト価格が上昇、下半期に需要回復の見込み
報道によると、2020年7月28日の金属コバルト現物価格は27.8万元/tで、前日比1.7万元/t上昇した。28日午後の取引終了時点で、月初に比べて金属コバルトは14.4%以上上昇した。業界関係者によると、海外で新型コロナウイルスが依然として流行しており、コバルトの供給が阻害され、コバルトの輸入量も減少している。2020年下半期には、電子、駆動用バッテリー市場の回復が顕著となり、コバルト価格の上昇が予想される。
生意社の7月28日のデータによると、電池用硫酸コバルト価格は5.5万元/tで、月初比10%上昇した。国産酸化コバルトや塩化コバルト価格はそれぞれ18.05万元/t、5.85万元/tで、月初比それぞれ3%、5%上昇した。海外のコロナの状況が依然深刻化しており、DRコンゴなどのコバルト鉱山の運営が影響を受け、鉱山からの出荷が厳しくなると予想する声もある。
需要面では、駆動用バッテリー市場は緩やかな回復傾向にあるが、短期間での需要の増加幅は限定的であるとみられる。中国自動車駆動用バッテリー産業革新連盟が発表したデータによると、6月の国内の駆動用バッテリー生産総量は前年比16.2%減の5.3GWhで、前月比3.0%上昇した。また、6月の国内の駆動用バッテリー搭載量は前年同月比29.1%減の4.7GWhで、前月比34.0%増加した。2020年上半期の国内駆動用バッテリーの搭載量は前年同期比41.8%減の17.5GWhであった。特に搭載量は前年同期比で大幅な減少となっている。需要は徐々に回復する可能性があり、産業の停滞傾向は下半期には転換点を迎える見込み。
また、コバルトの備蓄に関する報道も目立っている。2020年に入ってから、非鉄金属に対する買い上げ備蓄に関する情報が頻繁に流れているためだ。雲南省人民政府は、2020年4月26日に「実体経済への発展支援に関する若干措置」を発表し、省内の銅、アルミニウム、鉛、亜鉛などの非鉄金属製品の買い上げ備蓄を行った。備蓄総量は約80万tで、備蓄時間は1年間と設定。上海有色網によると、甘粛省も計画案を立ており、コバルト1,000tを含む非鉄金属製品に対し合計43.6万t買い上げ備蓄を行う予定だという。
今後のコバルト市場の見通しについて、国信証券の電気・新エネルギーチームは「短期的には、コバルトの供給は新型コロナウイルスや鉱山の閉鎖などの影響を受けるが、中長期的にみると、5G対応スマートフォンや新エネルギー自動車市場の回復に伴い、川下における需要が2021年までに徐々に増加する予想。コバルトの需給は2020年下半期から2021年までの間にほぼ均衡状態となる。」と述べた。