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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2020年10月15日 モスクワ 秋月悠也

キルギス:議会選挙後の騒乱で鉱山会社も被害

 2020年10月7日付けの地元報道等によると、キルギスで2020年10月4日の議会選挙後に発生した騒乱は、大企業にも影響を及ぼした。最も被害が大きかったのは、大規模鉱床を含む遠隔地の施設である。
 Alliance Altyn社(Russian Platinum社傘下)が開発するJerooy金鉱床(タラス州)を約500人が襲撃して何者かが倉庫を略奪し、金抽出プラントの建物に放火した。同プラントの被害は深刻ではなかったものの、操業開始は無期延期となる。Alliance Altyn社の計画に詳しい筋によると、2020年末までに金500~550kgを生産する予定であった。同社はJerooy鉱床のライセンスを100mUS$で取得しており、2041年までのプロジェクトのCAPEX見積額は483mUS$である。これはロシアの投資によるキルギス最大のプロジェクトの一つである。同社はJerooy鉱床Talas金鉱コンビナートの金抽出プラントの操業開始を、2020年10月に予定していた。9月には試験操業が行われ、露天採掘エリアには60台の大型運搬機が準備されていた。
 また、騒乱により、銅生産大手のKAZ Minerals社は、キルギス最大鉱床の一つであるBozymchak銅・金鉱床(ジャララバード州)での操業を停止した。
 Vertex Gold社(Global Asia Management社傘下)のJamgyr金鉱床(ジャララバード州)も攻撃を受け、Eti Bakir Tereksay社(キルギスとトルコの合弁)が所有するTereksay金鉱床群では集会が開かれた。これら企業の経営陣は、国内の情勢が安定するまで操業を停止することに同意した。
 騒乱の影響は、加Centerra Gold社が開発するキルギス最大の製錬資産であるKumtor金鉱床(イシク・クル州)にも及び、10月7日、産金企業Kumtor Gold Company(Centerra Gold社のキルギスの子会社)の事務所が何者かに襲撃された。

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