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- 鉛
中国:2020年9月の国内精製鉛の生産について
安泰科が国内一次鉛企業37社(総生産能力3.82百万t)および再生鉛企業34社(総生産能力4.18百万t、使用済バッテリー解体能力5.98百万t、他の鉛含有廃棄物処理能力420千t)の生産統計調査を実施したところ、2020年9月の精製鉛生産量は、前年同月比0.6%減の412千tで、前月比11千t減少した。そのうち一次鉛の生産量は前年同月比6.6%減の193千tで、前月比3.8%減であった。再生鉛の生産量は前年同月比5.3%増の219千tで、8月と比べ1.4%減で、2019年9月再生鉛生産の53.1%を占めた。2020年1~9月の精製鉛累計生産量は、前年同期比2.6%減の3.401百万tであった。そのうち一次鉛生産量は前年同期比1.5%増、再生鉛生産量は前年同期比7.1%減であった。9月の一次鉛生産が増加せず、逆に減少している。主に青海地域の製錬所の点検作業が月末まで続いており、内モンゴル、湖南地域では原生鉛の生産が予想外に減少したからである。また、広東省、遼寧省などでは点検作業のため生産量が減少した。これら理由により、単月の原生鉛生産が前月比8千t減少した。再生鉛については、「固体廃棄物汚染環境防止対策法」が正式に施行され、再生鉛企業が影響を受けた。2020年3月以降再生鉛の生産量は前月比で初めて減少したが、河南省、内モンゴル地域の再生鉛生産が増え続けているため、使用済み鉛蓄電池供給不足や再生鉛利益悪化による減産分を補足することができた。再生鉛の生産は2020年8月から3千t減少した。本年10月には新しい「固体廃棄物汚染環境防止対策法」が施行され、一部企業では生産が不安定な状態となることが見込まれるが、外部影響が次第に弱まる。安徽省地域の新規生産能力稼働も加わり、再生鉛生産は前月比で増加を見せる見込みである。一次鉛については、遼寧省、湖南省等などの一部地域では生産減少も見られる。青海省、広東省地域の製錬所は操業再開しており、河南省にある年間設計規模100千t乾式鉛製錬事業で試運転が開始される予定のため、2020年10月の一次鉛の生産は通常レベルまで回復する見込みである。なお、国内精製鉛の生産量は、2020年9月より10千t増加する見通しとなっている。
