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ニュース・フラッシュ

鉱種:
クロム
2020年10月26日 ヨハネスブルグ 原田武

南ア:国内フェロクロム産業支援としてクロム鉱石への関税導入の検討を開始

 2020年10月22日付け南ア閣議声明の中で、国内のフェロクロム産業支援策について言及した。その中には、クロム鉱石への輸出関税導入が含まれている。その他に、製錬所の節電技術の活用、コジェネレーションや自家発電の導入についても記載されている。声明内で、詳細には触れられておらず、今後、鉱物資源エネルギー省、貿易産業競争省、財務省によるタスクチームを組成して検討するとした。
 同日のメディアによると、Amplats社、Impala Platinum社、Sibanye Stillwater社、Tharisa社といったクロム鉱石生産者のグループは、輸出関税は反競争的であるとして反対する構えを表明している。
 南アは世界最大のクロム生産者であるが、近年は、国内でのフェロクロム生産よりも、鉱石輸出の伸びが顕著であり、中国向けが多くを占めている。昨年は12.5百万tのクロム鉱石が中国に輸出されており、中国クロム輸入の83%を占めているとされる。今後、輸出関税が導入されれば、中国の需要や鉱石価格に影響する可能性が高いと見られている。

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