閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
2020年11月18日 北京 塚田裕之

中国:2020年9月製錬銅輸入量が前年同月比57.85%増505.9千tと急増

 現地報道(我的有色網)によると、税関総署は2020年9月製錬銅輸入量が前年同月比57.85%増の505.9千tとなり、前月比7.6%増加したと発表した。また、2020年6月以降、製錬銅輸入は4か月続いて45万t以上となった。
 2020年11月9日公表の情報によると、2020年10月未圧延銅・銅製品輸入量は618.108千tで、前月実績の722.45千tより14.4%減少となったものの、前年同月実績の431千tを43.4%上回った。数か月続いて輸入が最高量を保っていることから、上海地区の保税区職員の作業量は明らかに増えている。
 我的有色網によると、輸入銅が依然増加する要因として、新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外市場の消費は悲惨な状況にあるものの、中国国内の感染状況は落ち着き需要が着実に回復しており、市場は現在の主要消費地である中国に移転し始め、広東地域や天津地域での輸入量が例年より明らかに上回っているとした。
 輸入品の大半は低品質の電解銅であり、これら低品質の銅や湿式製錬銅以外にも、非標準型・未登録の低品質銅の輸入量も増加傾向にある。これら輸入銅のほとんどを製造企業が引き取っており、現物在庫の統計に反映されていない。その一方で、川下の原材料在庫が非常に多く、国内の現物取引が軟調気味となる要因にもなった。
 また、国内の銅スクラップ原料が不足しており、製錬銅・銅スクラップ間のギャップを埋めるために、銅地金需要の高まりから一部輸入銅が使用された。在庫実際数は市場予想より遥かに下回っており、現在の市場の輸入増量に適合していない。
 現在の市況では輸入増の状況は継続しているが、国外におけるコロナウイルス感染拡大状況は需要の回復に悪影響を与えていることから、今後国外在庫が中国市場へ転入する可能性がある。さらに、年末に近づくと輸入業者の信用状有効期限が満了となることから、年末清算業務等を進める必要があり、これらの状況によって輸入が減速する可能性を加味すると11月末以降銅輸入が減少する見込みである。

ページトップへ