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2020年12月11日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:Zacatecas州、環境税を巡る対立継続の中、他州でも導入を検討

 2020年12月9日付け専門紙は、Zacatecas州の環境税に関し、州政府と企業間の対立が継続していることを報じた。同州では2017年に土壌および大気汚染の防止、また廃棄物の保管等を目的とする環境税を導入し、資源を採掘・抽出する企業に対し納税義務を課している。これに対し過去に連邦政府は、税金やロイヤルティなどの徴収は連邦政府により平等に定められるべきであり、同州の環境税条例は憲法上の平等原則に違反すると主張し訴訟を起こしていたものの、2019年にメキシコ最高裁判所はこの訴えを退ける判決を下した。今回地元紙が州財務大臣に対し行ったインタビューによると、現在計29社によるアンパロ訴訟(憲法保護請求)がそれぞれ進行しており、現在も2017年以降の納税を拒否している企業が存在する。州政府は未払い分の決済を求めたものの、企業側は支払い条件として2021年以降同税制を撤廃することを求め、州政府はこれを認めなかったため、結果として未解決の状態が続いているとのことである。財務大臣は、政府法律顧問に依頼し2020年分の納税を求める法的措置を取る方針を明かした。専門紙は今後の見通しとして、同税制をめぐる州政府と鉱山企業間の法廷闘争はすでに行き詰まっていることから、法的権限を用いて納税を強制することの可能性については不明であると報じた。
 また、同州以外にも環境税導入を検討している州が存在する。Michoacán州政府は2021年予算法案で、鉱物の販売による収入に対し3%の税金を課す環境税導入を提案したものの、高等裁判所は税制の原則に違反するとみなし、これを無効とする判決を下した。Sonora州においても過去に同様の税制導入が検討されていたが、同州の2021年予算法案には組み込まれていない。

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