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中国:レアアース価格が高騰、韓・豪が動向注視
現地報道によると、中国レアアースの輸出状況や価格動向が大きな動きを見せるなか、韓国や豪州ではその動向を伺っている。上海有色金属網(SMM)によると、中国のレアアース生産大手企業の南方希土公司が発表した最新の中・重希土酸化物の上場価格は、需要拡大により製品価格が上昇した。そのうち、酸化テルビウムは前週比24万元/t上昇し530万元/tとなった。酸化アルミウムは44.5万元/tで、前週比1万元/t上昇した。こうした動きは南方希土公司1社に限るものでなく、北方希土公司においても2020年11月のレアアース製品価格が上昇している。酸化ネオジムは、40.4万元/tで、前月比2.8万元/t増加した。金属プラセオジム・ネオジムは、46.1万元/tとなり、前月比1.6万元/t増加、金属ネオジムは、50.2万元/tで前月比3.3万元/t増加となった。価格上昇理由について、現地報道の解析によると、12月1日に施行が予定される「中華人民共和国輸出管理法」によりレアアースの供給が一層減少すると見込まれ、海外輸入業者がその影響を懸念して、次々と中国の販売企業に追加注文し価格高騰を後押ししているという。また、2020年にはレアアースの輸出規模が縮小したため、海外の多くの購入者が不安に感じている。税関総署が発表したデータによると、2020年1~10月のレアアース輸出量は28,668.9tで、2019年同期(40,037.2t)と比べ28.4%を減少した。世界最大のレアアース生産・輸出である中国では、かつてレアアースを安価で販売していた経緯がある。二の舞を避けるため、中国政府は、長年にわたりレアアース価格メカニズムの最適化に向けた努力を行っており、供給側改革のほかに、市場ニーズを適宜追跡し価格調整することにも力をいれている。2020年11月16日、有色金属報は、「中国のレアアース価格メカニズムを早急に改善し、供給から価格まで徹底的に管理する。そうでなければ、「赤字」という厳しい状況に陥るかもしれない」と再び呼びかけた。フォーブスの報道によると、韓国は豪州と連携し、レアアース関連技術開発プロジェクトを行う予定で、電気自動車、再生可能エネルギーの製造向けプラセオジム・ネオジム2種のレアアース資源の全面的商業化生産を実現させようとしている。
