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鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト その他
2021年1月22日 北京 塚田裕之

中国:新エネ車軽量化促進、アルミ合金型材時代に突入

 現地報道によると、過去の数日間において、Tesla社、蔚来(NIO)、小鵬など新エネルギー自動車(以下、「新エネ車」という。)メーカーの業績が上がっている。Tesla社は2020年末時点で、電気自動車(EV)を50万9,737台生産し、43万9,550台納車した。国内の新エネ車販売数第1位の自動車メーカーとして、2020年12月の販売台数も新記録を更新した。蔚来の同年12月の納車台数は7,007台で、5か月連続で月間納車台数の最高値を更新した。理想汽車の同年12月の納車台数は6,126台で、前年同期比529.6%増加し、月間納車台数として最新値を更新した。小鹏も12月の納車台数は5,700台で、過去最高値を更新した。
 新エネ車の軽量化ニーズは極めて強く、EVの装備重量を10kg減らす毎に航続距離を2.5km伸ばすことができると指摘されている。Tesla社と蔚来は軽量化分野でトップを走っており、BYD、北汽新エネルギー、吉利などの伝統的自動車メーカーも、省エネ・排出物削減政策や電気化が進む中で、次々と軽量化への取組みを強化している。車体軽量化は開発余地が大きく、アルミ製の電池ボックス、サブフレーム、コントロールアーム、ステアリング・ナックルなどへの普及率が高まり続けている。同時に、車体構成部材にも大規模に使用されるようになった。軽量化材料として高強度の鋼やアルミ合金材料の利用率が上昇している。
 主なアルミ製品サプライヤーとして、明泰アルミ業は、自動車用鋼板、燃料タンク材、新エネルギーバッテリーパレット、自動車ラジエーターなどの自動車軽量化用アルミ製品を生産しており、2020年の自動車軽量化業界において、その生産・販売量は約21万tで、同社のアルミ板・帯・箔生産量の約22%を占めている。文燦株式は、新エネ車のアルミ合金圧力鋳造部品(電気モーターケース、電池ボックスパレット)とアルミ合金の車体構造部材の分野で、Tesla社、Mercedes-Benz社、小鹏、広汽向けに車体構成部材を提供している。Volkswagen社には電気モーターケース、Mercedes-Benz社には電池ボックスパレットをそれぞれ供給している。現在、南山アルミ業の自動車用鋼板の生産能力は10万tで、「自動車軽量化アルミ板・帯の生産ラインの技術改善」プロジェクトも稼働しており、その生産能力は10万tと設定されている。

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