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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年2月17日 ジャカルタ 川村伸弥

インドネシア:PTFIと中国のTsingshan Steel、3月に交渉を完了予定

 地元メディアが2021年2月6日に伝えたところによると、インドネシア金・銅鉱山会社のPTFI(PT Freeport Indonesia)と中国青山集団(Tsingshan Steel)は、North Maluku州Halmahera TengahのWeda Bayのニッケル加工施設での銅製錬の開発に関する交渉を完了する予定。インドネシア海事投資調整大臣府のSeptian Hario Seto投資調整・鉱業副局長は、3月末までに合意に達することを望んでいる。また、Central Sulawesi州Morowaliでのニッケル製錬所の開発における青山集団の実績を考慮し、2023年末までに銅製錬所開発プロジェクトを完了、銅製錬所への投資を効率的に実施することができると述べた。
 PTFIは、East Java州Gresikで銅製錬所を開発する準備を開始していたところ、青山集団から、代わりにWeda Bayで、リチウムイオン電池(LIB)の生産に必要な酸性硫酸塩を供給する銅製錬所開発の提案を受けたもの。青山集団は、2023年までにWeda BayでLIB工場の開発を完了することを目標としている。
 Septian Hario Seto氏は、PTFIと青山集団が合意に達した場合、Weda Bayの銅製錬所は、Gresikで計画されている製錬所よりも生産能力が年間240万t/年高くなるとしている。また、Weda Bay銅製錬所の総投資要件は2.5bUS$であるところ、そのうち92.5%は青山集団が資金を提供、PTFIは投資要件の7.5%しか負担しないこととなり、青山集団からの提案はPTFIにとって非常に魅力的であると述べた。
 一方、PTFIの49%の株式を保有する米Freeport-McMoRanは、銅製錬所プロジェクトへの莫大な投資要件と製錬事業の利益率の低さに不満を持っているとのこと。PTFIの株式の51%は、インドネシア国営の鉱業会社MIND IDが保有している。
 PTFIは、政府との採掘契約に規定されている2023年末までに、Papua州の鉱山で生産された銅精鉱を処理するための製錬所の開発を2023年末までに完了する必要がある。

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