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インドネシア:Fitch Solution、2021年の錫の生産は回復を予想
地元メディアが2021年2月13日に伝えたところによると、Fitch Solutionsは、今年の世界の錫鉱山の生産について、インドネシアとペルーでの生産活動への政府による制限がなく、錫価格の上昇環境の中で鉱山が利益を上げ操業可能であることから、生産が回復すると予想している。Fitch Solutionsは報告書の中で、錫鉱山の生産量は前年比で約97%増加し、323,800tになると推定されるとしているが、中国やミャンマーなどでの鉱石の品位低下と代替プロジェクトの欠如が長期的には生産量の増加を左右し、厳しい環境規制がプロジェクト開発をさらに妨げる可能性があるため、生産量の増加はさらなる下振れリスクに直面すると付け加えている。
中国での錫鉱山の生産は横ばいで推移すると予想しており、長期的に鉱山の生産は比較的最小限の成長しか見られないものの、国内最大の生産者である雲南錫が主導しわずかな増加が見込まれるとしている。また、ペルーでは、新型コロナの検疫措置が操業を妨げていた2020年から生産量が大幅に回復すると見込んでおり、前年比で17%の成長が見込まれている。インドネシアでは、2021年の錫鉱山の生産予測を9.8%から25%に上方修正しているが、規制の変更により長期的に生産量が減少するため、インドネシアでの生産は2021年から2029年にかけて年間平均0.4%の縮小を記録すると予測している。
価格に関しては、スポット需要とドル安により、今年の錫価格予測を18,000US$/tから19,500US$/tに上方修正したが、インドネシアやマレーシアなどでの生産量が増加することから、今年後半には価格上昇圧力が緩和されると予想している。
