閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年3月9日 ジャカルタ 川村伸弥

インドネシア:ニッケル鉱石の輸出禁止をめぐるEU訴訟に対抗する考え

 地元メディアが2021年2月27日に伝えたところによると、インドネシア政府は、WTOでのEUによるニッケル鉱石の輸出禁止に関する訴訟に対抗する考えを示している。Muhammad Lutfi貿易大臣は、同政府が、EUの訴訟に対抗するための準備はできていると述べた。EUは、ステンレス鋼生産の原料であるニッケル鉱石のインドネシアによる輸出禁止が、EUの鉄鋼業者にとり違法で不公正であるとして、2019年11月に最初の苦情を申し立て、WTOに対し、裁定のためのパネルを設置するよう要請していた。
 インドネシア政府は、国内のニッケル製錬所とステンレス鋼産業の発展を加速させるため、2020年1月にニッケル鉱石の禁止を開始した。複数の製錬所が操業しており、主に中国の投資家が所有するフェロニッケルとニッケル銑鉄を生産している。
 インドネシア政府は、世界最大のニッケル鉱床やバッテリー生産のための原材料を豊富に有し、主要なプレーヤーになることを目指すため、国営企業と外国投資家が提携し国内の電気自動車(EV)バッテリー産業を迅速に発展させるよう促している。韓国のLG社と中国のCATL社は、インドネシアの国営企業と提携し、インドネシアでEVバッテリー産業を開発する計画を発表しており、また、EVメーカーのTesla社に対しインドネシアへの投資を呼びかけている。

ページトップへ