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ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト ニッケル マンガン
2021年3月9日 ジャカルタ 川村伸弥

インドネシア:政府、3つの電気自動車(EV)プレーヤーと協議中

 地元メディアが2021年3月4日に伝えたところによると、インドネシア政府は、電気自動車(EV)及びリチウムイオン電池(LIB)産業の発展を支援し、より多くの投資家を誘致するため、Tesla社、BASF社、Volkswagen社の3つのEVプレーヤーと協議している。投資調整委員会(BKPM)のBahlil Lahadalia会長は、Tesla社、BASF社、Volkswagen社と連絡を取り合っていると述べ、これまでのところ、中国のCATL社と韓国のLG化学社の2つのグローバルプレーヤーが、インドネシアのEVバッテリー業界でそれぞれ5.2bUS$と9.8bUS$を約束していると述べた。CATL社とLG化学社は、インドネシアの国営企業と提携し、EVバッテリー産業の発展に貢献することが期待されている。
 インドネシア政府は、民間企業の協力し、国営鉱業会社MIND ID、国営石油・ガス会社PT Pertamina、国営鉱業会社PT Antam、国営電力会社PT PLNにより、国内のEVバッテリー産業の発展を主導している。これら4つの国営企業は、今年、Indonesia Battery Corporation(IBC)と呼ばれるコンソーシアムを設立予定。
 政府のEVバッテリー業界のロードマップによると、PT Antamは、2024年から50~100千t/年の硫酸ニッケルを生産する高圧酸浸出(HPAL)製錬所を開発する予定で、PertaminaとMIND IDは、2024年に生産開始予定の前駆体とカソードの生産施設を設立する予定。また、PertaminaとPLNは、2025年の操業開始を目標にセルパッケージプラントを開発する予定。
 インドネシアは、世界最大のニッケル埋蔵量と、銅、コバルト、マンガンなどのEVバッテリー生産のための多くの原材料を有し、世界のEVサプライチェーン業界の主要プレーヤーになることを目指しており、EV及びLIB産業を発展させるため、国有企業と協力するプレーヤーを招待している。BKPMのBahlil会長は、免税期間やマスターリストなどの財政的インセンティブを投資家に提供し、全ての許可プロセスを促進すると述べ、外国人投資家がEVバッテリー産業の発展に地元のパートナーを関与させなければならないことを繰り返した。

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