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ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト ニッケル
2021年3月24日 バンクーバー 佐藤すみれ

キューバ:産業多用化に向けた鉱業部門に対する誘致強化の可能性

 2021年3月19日付け専門紙は、鉱業部門に対する外国投資の現状に関し、政府が過去6か月間に少なくとも2件のJV契約を締結しており、今後更なる鉱山事業拡大が進む可能性があると報じた。キューバにおいて外国企業が探鉱・開発を行う場合、政府系企業との合弁事業を形成することが原則とされているが、過去10年間で外国企業の活動が活発化している。直近では2020年9月に豪Caribe Metals社と政府系企業であるGeominera社との間で、El Cobre銅鉱山における廃滓堆積物からの回収を目的とするJV契約が交わされた。また、同社はその3か月後に同じく政府系のCommercial Caribbean Nickel社とJV契約を交わし、Cajálbanaニッケル・コバルトプロジェクトのFS調査実施が計画されている。両プロジェクトに対する投資額は計650mA$(502mUS$)と見込まれる。COVID-19により観光業が打撃を受ける中、政府は二重通貨制度の廃止や自営業の認可業種を拡大するなど経済回復に向け複数の措置を講じている。Control Risks社アナリストによると、これらの改革には外資規制緩和は含まれなかったものの、一連の改正により経済にプラスの効果がもたらされる場合、今後更なる投資誘致強化に向けた政策が打ち出される可能性があるとされる。また、加Sherritt社とキューバ政府とのJV事業によるMOAニッケル鉱山の成功例からも、政府は産業多様化に向け鉱業部門における更なるJV事形成に関心を示していると分析されている。

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