ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- 金
キルギス:Jerooy鉱床のTalas金抽出プラントが操業開始
2021年3月17日付けの地元報道等によると、タラス州で、Jerooy鉱床の鉱石から金を抽出するTalas金鉱コンビナートの操業開始記念式典が開催された。式典にはキルギスのZhaparov大統領が出席し、ロシアのPutin大統領もテレビ会議で参加した。
金抽出プラントの鉱石年間処理能力は1.3百万tで、Jerooy鉱床の金の年産量は3~5t以上と予想されている。バランス埋蔵量は金88.2tだが、Alliance Altyn社(Russian Platinum社傘下)は、探査による埋蔵量増加を見込んでいる。採掘された鉱石は全て金抽出プラントで処理され、その後キルギス国内で精錬される。金インゴット購入の優先権は、キルギス国立銀行が持つことになる。
Zhaparov大統領は、投資家のAlliance Altyn社によるキルギス経済への投資に謝意を表明した。Alliance Altyn社は2015年に100mUS$でJerooy鉱床開発ライセンスを取得している。同社は、Jerooy鉱床の操業開始前に約1.5bKGS(キルギス・ソム)を税金や税外負担の形で予算及び予算外基金に納付しており、同鉱床の操業開始後には、国家予算に年間最大4.0bKGSの税金その他が納められ、タラス州には約300mKGSの収入がもたらされるとされている。
政府当局からの許可取得の問題で、金抽出プラントと関連施設の建設は絶えず停滞し、コンビナートの操業開始は何度か延期されてきた。また、Jerooyプロジェクトは常に地元住民の抗議行動の標的となっている。2020年10月にも議会選挙後の国内の騒乱により操業開始は再度延期され、略奪行為によるJerooyプロジェクトの損害額は約20mUS$に達したとされている。
Jerooy鉱床はキルギス最大級の金鉱床である。キルギスのGDPの約10%を占めるKumtor鉱床が2023年の開発完了を予定する中、Jerooy鉱床からの生産に大きな期待がされている。