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ドミニカ共和国:複数プロジェクトの探鉱・開発が依然停滞
2021年4月27日付け報道によると、国内の複数鉱業プロジェクトの現状に関し、国民の強い反対意見や政治不確実性の高まりが鉱業部門の進展に影響している。2020年に就任したAbinader大統領は鉱業部門の推進を公約に掲げているものの、国民による反対によって政策が阻まれている状況である。
・Pontón金・銀プロジェクト(加Precipitate Gold社)
Precipitate Gold社はPontónプロジェクトの探鉱計画に関し、地域住民が追加情報を要求したことから、同社はすでに探鉱許可を取得していたにもかかわらず、2021年2月に計10孔のボーリング調査のうち2孔を実施した後、探鉱の中断を決定した。
・Pueblo Viejo金鉱山拡張プロジェクト(加Barrick Gold社、米Newmont社)
現在拡張に係る廃滓集積場の変更計画が評価中であるものの、承認に遅れが生じている。Barrick Gold社のBarceló CEOは地元紙のインタビューに対し、同鉱山における2020年金生産量は28.1t(903千oz)であったが、拡張計画が承認されない場合、2021年の生産量は18.7t(600千oz)に減少するとの予測を述べている。
・Romero金プロジェクト(加GoldQuest社)
同プロジェクトは国内で最も生産開始段階に近いプロジェクトであり、年間金生産量は3.4t(109千oz)、マインライフは7.3年と見込まれている。開発ライセンス承認に長年の遅れが生じているが、2021年1月にAntonio Almonteエネルギー鉱山大臣が地元コミュニティを訪問し、一部リーダーが依然として開発へ反対しているものの、最終的な判断は環境省が下すと発表した。
このように厳しい状況の中、加Unigold社のNeita金・銅プロジェクトは予備的経済性調査を発表し前進を見せている。年間金生産量は1.0t(31.040oz)と小規模プロジェクトではあるものの、高い収益性が見込まれており、投資額36mUS$、金価格1,650US$/ozと見積もった場合、IRRは34.9%と発表されている。将来的にUnigold社が生産段階に進むためには環境および社会影響評価の承認が必要となり、同社は今後数か月以内に環境省に対し承認手続きのフレームワーク作成を要請することを計画している。
