閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
2021年5月18日 北京 塚田裕之

中国:中国国家発展改革委員会、中豪戦略経済対話の枠組に基づく全ての活動を即日無期限停止

 2021年5月6日付けの現地報道によると、中国国家発展改革委員会は、豪州連邦政府関係当局と共同で主導する中豪戦略経済対話の枠組に基づく一切の活動を即日無期限停止することを決定した。
 中豪間緊張状況の中で、両国間の銅関連取引も制限を受ける可能性があり、最も影響を受けるのが銅精鉱の輸入である。税関の統計値によると、2020年12月以降、中国の銅製錬企業は加工精錬費(TC/RC)が過去最低値の状況に陥っているにもかかわらず、中国の輸入業者は豪州産銅精鉱を輸入しなかった。
 豪州は世界銅精鉱の主要生産国である。ICSGのデータによると、2019年豪州の銅精鉱埋蔵量は87百万tに達し、世界第2位となった。同年、銅精鉱年間生産量は938千t(金属量)で、世界第6位であった。中国は銅精鉱資源の80%近くを輸入に依存しており、ペルー(27%)とチリ(35%)が輸入割合の60%以上を占める。豪州は中国にとって5番目の銅精鉱輸入国で、その割合はわずか5%。2019年の豪州からの銅精鉱輸入量は1.052百万t(実物量)であり、2020年は763千t(実物量)で、減少率27.4%であった。全体を見ると、国内市場にとって、中国は豪州産銅精鉱の輸入がゼロに下がっても実質的な影響はあまり大きくない。2020年12月には、初めて豪州産銅精鉱輸入がゼロになり、中国の銅精鉱輸入総量は前月比10%減の1.9284百万tであった。過去の輸入量からみると、依然通常水準にある。
 この5%の輸入分について制限を受けても、供給不足が発生する可能性は低い。中国は他の地域からより多くの銅精鉱を輸入し、これらの不足分を補足できる。豪州は、2021年に約1百万tの銅精鉱について新規購入者を探さなければならないことを意味している。過去のデータを見ると、これまで毎年、豪州は約30%の銅精鉱を中国に輸出していた。

ページトップへ