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ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト ニッケル
2021年5月25日 ジャカルタ 川村伸弥

インドネシア:中国Ningbo Lygend Mining(寧波力勤資源科技開発)社、インドネシアHPALプロジェクトでの生産を開始

 地元メディアが2021年5月20日に伝えたところによると、中国のNingbo Lygend Mining(寧波力勤資源科技開発)社は、インドネシアNorth Maluku州のニッケル・コバルト製錬プロジェクトで、混合水酸化沈殿物(MHP)の最初の製品を生産したと発表した。インドネシアで最初の高圧酸浸出(HPAL)プロジェクトとなる。Obi島にあるこの1.05bUS$のプロジェクトは、インドネシアで開発されている5つのコバルト・ニッケルHPALプロジェクトのうちの1つであり、電気自動車(EV)用バッテリー産業に重要な材料を供給するもの。同社のJiang Xinfang社長は、最初の水酸化ニッケルと水酸化コバルト製品は、まもなく中国に出荷され、徐々に世界市場に参入する予定であるとともに、同社とそのパートナーであるインドネシアのHarita Groupが、Obi島で、硫酸ニッケル、前駆体、ステンレス鋼関連製品を製造する他のプロジェクトを建設予定であると述べた。
 コンサルタントのSteven Brown氏は、このプロジェクトはバッテリーグレードのニッケルを低コストと比較的短期間で、合理的に生産する実行可能な方法があることを意味し、また、ニッケル市場はすでに余剰状態にあるため、このペースで試運転を続ければ、ニッケル価格の下落が予想されると述べた。
 Ningbo Lygend社は、パプアニューギニアのHPALで経験を積んだ中ENFI Engineering Corporationにプロジェクトの設計を依頼し、2021年後半に30~37千t/年のMHP生産を目指している。
 インドネシアでは、数年前に中国企業によるHPALプロジェクトが相次いで発表され、その低コストと短期間での開発が話題となったが、同社のプロジェクトは、コロナ禍の影響でプロジェクトの進捗が9か月遅れとなり、2021年4月から試験生産を開始した。

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