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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2021年5月31日 モスクワ 秋月悠也

キルギス:Centerra Gold社、キルギス政府を仲裁裁判所に提訴

 2021年5月17日付けの地元報道等によると、加産金企業Centerra Gold社(Kumtor金鉱山を開発)は、キルギス政府に対し拘束力のある仲裁手続きを開始した。Centerra Gold社は、キルギス政府による同社子会社Kumtor Gold Company(KGC社)への外部管理導入、最近科された罰金や租税請求に関する同社への追求を差し止めるよう求めている。同社によると、上記行為はKumtorプロジェクトに関する政府との投資協定に違反するものである。また同社は、KGC社に対するキルギス政府の行為に起因する損失・損害の賠償をキルギス側に求める意向である。
 Centerra Gold社が違法とみなすキルギス当局の最近の行為には以下が含まれる。
・2021年5月6日、キルギス議会で、コンセッション契約に基づいて事業を行う企業(KGC社のみが該当)に外部管理(銀行口座を含む)を課す権限をキルギス政府に与える法案が1日で採択された。
・罰金賦課に関する裁判所の決定(2021年5月7日にBishkek市Oktyabrsky地区裁判所は、Kumtor鉱床開発におけるDavydov氷河とLysyi氷河への廃棄物保管を違法とし、261.72bKGS(キルギス・ソム)をキルギス政府に支払うようKGC社に命じた)。
・KGC社の活動を調査する国家委員会による同社社員への恫喝、捜査当局によるKGC社事務所(Bishkek市)の捜索、上級管理職数名の自宅への訪問。
・政府がキルギスの裁判所に申し立てた租税請求(国税局が実施した2015~2020年の税務調査の暫定結果に基づき、KGC社に170mUS$以上が追徴課税された)。
 Centerra Gold社は、キルギス当局の最近の行為は当事者間で調印された協定に違反すると考えており、自身の権利を守るつもりだが、キルギス政府から要請があれば、建設的対話を行う用意があるとしている。また、同社のScott Perry社長兼CEOは、「年初からキルギス政府はKumtor鉱山の操業基盤を弱体化すべく驚異的スピードで行動し、紛争の対象とみなすあらゆる問題について当社との協力を拒否している。当社としては、KGC社、当社及び当社株主の利益を守るため、仲裁を通じて法的権利を行使する以外に選択肢がなくなった。なお、キルギス政府が建設的対話を望むのであれば、我々は引き続き応じる用意がある。」と述べている。

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