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インドネシア:Tiranグループ、Southeast Sulawesiでニッケル製錬所を計画
地元メディアが2021年5月24日に伝えたところによると、インドネシアのAndi Amran Sulaiman元農業大臣(2014~2019年)が設立したTiranグループは、Southeast Sulawesi州Konawe Utara県でのニッケル製錬所開発を計画している。同グループは、金鉱石、ニッケル鉱石、サトウキビやアブラヤシのプランテーション、砂糖生産、農薬販売、セメント販売、ガソリンスタンド運営等、さまざまな事業を展開している多角的ビジネスグループである。
Konawe Utara県のAbuhaera副知事は、計画中のニッケル製錬所プロジェクトについて、膨大なニッケル埋蔵量を有する同県に、雇用創出や行政への収入等の利益をもたらすものとして支持していると述べた。また同知事は、Southeast Sulawesi州がインドネシア最大のニッケル鉱石供給地であることは周知の事実であるが、これまでは同県の関与はなかったところ、製錬会社の存在により、地域コミュニティの主役になることは間違いないと述べた。
今回、Tiranグループが計画しているニッケル製錬所開発は、具体的には、同グループがニッケル鉱山子会社PT Tiran Mineralを通じ、Southeast Sulawesi州Lasolo諸島地区のWaturambaha村での開発を計画しているものである。同社広報担当のLa Palili氏は、計画中のニッケルプロジェクトへの支援を歓迎すると述べ、現在は必要な土地の準備や基本的なインフラ設備の整備など、準備を進めている段階とし、さまざまなステークホルダーの支援を得て、Konawe Utara県にニッケル製錬所を建設するという夢が実現することを願っていると述べた。
インドネシア政府は、国内のニッケル埋蔵量からより大きな付加価値を生み出し、国内の電気自動車(EV)用電池産業の発展を支援するため、国内のニッケル製錬所の開発を推進している。現在、中国企業が開発したニッケル製錬所を中心に14基が稼働しており、2021年はさらに2基の製錬所が稼働する予定で、政府は2024年までに、国内で合計30のニッケル製錬所が稼働すると予測している。
