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ロシア:Norilsk Nickel社、新環境戦略を採択
2021年6月2日付けの地元報道等によると、Norilsk Nickel社の取締役会は、2021年から同社の全事業所で実施される環境・気候変動戦略を採択した。
新戦略は、環境影響の6分野(気候変動、大気、水、尾鉱堆積場・廃棄物管理、土壌、生物多様性)をカバーし、ステークホルダー・エンゲージメントにも対応している。この戦略では、SO2排出量の削減、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)原則の遵守、Global Tailings Standard(国際鉱滓ダム基準)の導入など、合計21の環境・労働安全に関する目標を掲げている。
これらの目標達成に向けた主な取り組みとして、硫黄プログラムの漸進的実施、水の再生と再利用、土地修復、産業資産のモニタリング、同社事業の影響を受ける全地域における生物多様性の影響評価、グリーンテクノロジーへの投資、生産の脱炭素化に向けた施設の改修などが挙げられる。
例えば、大気保護に関しては、2021年にKolaディビジョンにおける硫黄酸化物排出量の絶対レベルを85%削減する。この目標達成に向け、Nickel町の溶錬施設を完全に閉鎖する。また、炉ガスを利用する硫黄プログラムのプロジェクト実施により、北極圏支社の硫黄酸化物排出量を2025年までに90%削減する。
水利用戦略の一環としては、2030年までに水の監視・制御システムの近代化、水処理施設の無停止運転の確保、グリーンソリューションの模索などに投資する。
また、今後10年間で、事業エリア内の敷地浄化と土地再生を完了させる。このために、独立した部署を設け、浄化効率向上のための専用機器を購入する。対象期間内に467の廃墟、1.3百万t以上の産業廃棄物、2百万t以上のゴミ、0.6百万t以上の金属スクラップを処理する。
