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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ウラン
2021年6月17日 モスクワ 秋月悠也

ロシア:Rosatom社、サハ共和国でウラン開発再開へ

 2021年6月4日付けの地元報道等によると、国営企業Rosatom社は、2017年以降停止しているサハ共和国(ヤクーチア)でのウラン開発を再開する可能性がある。Yury Trutnev副首相が、6月2日に開催されたサハ共和国の鉱物資源に関する会議で、同社に対して同共和国のウラン鉱床開発計画を提出するように指示をしたと発表した。
 現在、Rosatom社は、子会社Elkon Mining Metallurgical Plant社を通じてElkon鉱産地方の鉱床(Elkon、Elkon高原、Kurung、Neprokhodimoe、Druzhnoe、Severnoe)のライセンスを所有しており、これらのウラン総埋蔵量は357,100tである。
 しかし、2017年以降、連邦地下資源利用庁(Rosnedra)はRosatom社の要請により、Severnoeを除く全ての鉱床の利用権を中断した。同社の決定の背景には、福島第一原発の事故と、それに続く多くの原発プロジェクトの中止により、ウラン製品の価格が急落したことがあるとされる。ちなみに、2011年のウラン製品の価格は70US$/lbであったが、後に25US$/lbに下落し、2020年までこの水準で推移した。
 現在、価格は20%以上上昇し、30~35US$/lbとなっている。これは、COVID-19の流行によりウラン採掘が一時停止したことによる。また、グリーンエネルギーへの流れにより、原子力発電所への関心が高まっていることから、さらなる価格上昇も期待されている。
 Rosatom社は、ザバイカリエ地方、ブリヤート共和国、クルガン州及び海外で子会社を通じてウランを生産している。2020年の同社傘下の全企業のウラン総生産量は7,000tだった。

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