ロシア：Norilsk Nickel社、カーボンニュートラルなニッケルの生産を開始

　2021年6月21日付けの地元報道等によると、Norilsk Nickel社は、カーボンニュートラルなニッケルの生産を開始した。カーボンニュートラルは、Norilsk工業地区の同社生産施設に電力を供給する水力発電所の近代化、鉱石採掘から選鉱・精錬に至る製品生産の全段階で温室効果ガス（CO₂）の排出量を削減する措置により、実現した。
　Norilsk Nickel社は、Ust-Hantaiskaya水力発電所の発電ユニットの交換など、発電施設の近代化に多額の資金を投入している。同社のエネルギー・バランスに占める水力発電所のシェアは、Norilsk工業地区で55％、グループ全体で46％に達している。
　また、発電設備の近代化や修理、自動制御・計測システムの導入、建物やパイプラインの熱損失低減、設備の最適化、旧式化した電力設備の廃止などにより、生産品のカーボン・フットプリント削減が促進された。
　今後、Norilsk Nickel社は、Kola MMC社の施設で生産されたニッケルのカーボン・フットプリントの計算方法を確認する証明書を国際的な公認監査人から受け取り、顧客への新規ロットの出荷を開始する予定である。