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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル
2021年6月30日 ジャカルタ 川村伸弥

インドネシア:ニッケル銑鉄・フェロニッケル製錬所の建設を制限する可能性

 地元メディアが2021年6月24日に伝えたところによると、インドネシア政府は、ニッケル鉱石の利用を高付加価値製品に最適化するため、ニッケル銑鉄やフェロニッケルを生産する製錬所の建設を制限する計画を国会と協議しているとインドネシア国会議員が明らかにした。エネルギー鉱物資源省が国会に提出した文書では、サプロライト・ニッケル鉱石の埋蔵量が限られているため、製錬所建設を制限することが必要であるとし、また、ニッケル銑鉄やフェロニッケルを生産する多くの製錬所では、インドネシアでステンレス鋼に加工することなく、生産物を直接輸出することが予想されるとしている。インドネシアには16のニッケル製錬所があり、その大半がニッケル銑鉄とフェロニッケルを生産しているが、エネルギー鉱物資源省のデータによると、5年後にはその数は29に増えると予想されている。国会での協議に参加しているMulyanto議員は、ニッケル銑鉄やフェロニッケルなどの輸出は、付加価値が低いという問題があるため制限が必要とし、促進すべきはステンレス鋼の輸出であり、より高い付加価値を得ることができると述べた。また同議員は、さらに議論が必要であり、詳細は明確ではないと述べた。鉱業部門を統括する海事投資調整大臣府のJodi Mahardi報道官は、鉱物産業は、インドネシアの発展にとって非常に重要で、政策決定には至っていないが、政府は鉱物製品の需要と供給のギャップを検討していると述べた。

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