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インドネシア:ニッケル鉱業協会、ニッケル製錬所の新規プロジェクトや輸出を制限する計画を支持
2021年6月28日付け地元メディアによると、インドネシアニッケル鉱業協会(APNI)は、国内の限られたニッケル資源を高付加価値製品に最適化するために、ニッケル銑鉄(NPI)とフェロニッケル(FeNi)製錬所の新規建設を制限するという政府の計画を支持した。APNIのデータによると、現在、国内ではすでに25の乾式および湿式ニッケル製錬所が操業しており、さらに41のプロジェクトが建設中で、その他32のプロジェクトが許可を取得中である。
これらの製錬所は、年間255百万tのニッケル鉱石を必要とするが、国内のニッケル埋蔵量(実測値)が46億tしかないとし、高品位ニッケル鉱石(品位1.6%以上)の埋蔵量が17億tしかないと仮定した場合、国内のニッケル川下産業の存続期間は最大8年となる。仮に乾式製錬所が高品位ニッケルのみを消費するとすると、これらの製錬所の操業寿命は7年しかない。
APNIは、「政府がクラス2の製錬所(NPI/FeNi)を制限することを支持する一方で、ステンレス鋼、バッテリー、電気自動車(EV)などの、より価値の高いニッケル最終製品への投資を呼びかけている」と述べている。また、NPIとFeNiの輸出を総生産量の30~50%に制限し、その一部を国営のPT Krakatau Steelなどの国内鉄鋼業界のプレーヤーが競争力のあるステンレス鋼やその他の製品を生産するために割り当てることを政府に提言した。
Reuters通信によると、エネルギー鉱物資源省のRidwan Djamaluddin鉱物石炭局長は、先週、政府はNPIとFeNiの新規製錬所建設を制限する計画を議会委員会と協議した。「既存および建設中の乾式製錬プラントの投入能力に基づいて、さらなる探査がないと仮定した場合、建設が制限されなければ、この高品位ニッケル鉱石の埋蔵量からすると20年未満しかもたないだろう。」と同氏は語った。
