閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他
2021年8月24日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:EV開発、インフラやインセンティブの不足が足かせになる可能性

 2021年8月18日付けシンガポール・メディアによると、シンガポールDBS社は同社のレポートで、電気自動車(EV)の導入を推進するインドネシアの計画は、インフラ・ネットワークが不十分であることや、車の所有者にEVへの乗り換えを促すための経済的なインセンティブがないことが障害となる可能性があるとした。
 DBS社のアナリストによれば「民間投資家に頼るのではなく、政府が率先してEV充電インフラを構築しなければならない、自動車ユーザーに十分なサービスを提供するためには、EV充電への投資が莫大な額になる可能性がある。」と指摘し、充電ポイントの不足がEVや電動バイクの普及の足かせになる可能性があるとした。また、「インドネシア政府は、中国など他のアジアの自動車市場と比較して、自動車メーカーと消費者の両方に対して、EV導入を促進するための長期的な財政支援策を検討する必要がある。」とした。アナリストによれば、これらの課題は、EVがインドネシア経済にもたらす数多くのメリットの前に立ちはだかり、特に政府はEVをインドネシアにとって「極めて重要」であるとみなしている。
 インドネシア政府は、2025年までに電動バイクを210万台、EVを40万台販売することを目標としている。2030年には、それぞれ250万台、60万台に達すると予想する。また、2040年には電動バイクのみが販売され、2050年には販売されるすべての自動車が電動化される予定である。
 DBS社は、EVへの移行は、経済が豊かな資源を活用した自然の強みを活かすだけでなく、低炭素エネルギーへの移行を進展させることにもつながると指摘している。
 インドネシア政府は、2030年までに温室効果ガスの排出量を29%削減し、826百万tの二酸化炭素に相当する量を削減することを公約しており、インドネシア当局は、自動車会社の投資を誘致するための法人税減税など、EV開発を支援するためのいくつかのインセンティブを設けている。
 同時に、リチウムイオン電池(LIB)の原料となるニッケルと銅の埋蔵量が世界有数であることから、インドネシアはEV用電池の自前生産を計画している。

ページトップへ