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中国:上海取引所の錫、ニッケル価格が再び最高値を更新
2021年9月10日付け現地紙によると、上海取引所の錫およびニッケル価格が最高値を更新した。
2021年9月10日、非鉄金属関連の株式全体は強気傾向にあり、上海取引所の取引終了時価格は以下のとおりである:
・銅 7万元/t(1.89%上昇)
・亜鉛 2.29万元/t(0.53%上昇)
・鉛 1.51万元/t(0.43%上昇)
そのほか、アルミニウムの取引価格は一時2.27万元/tに値上りし、16年ぶりに最高値を記録、錫も25.48万元/tで過去最高値を更新(2021年初めの15.12万元/tから7割近く上昇)、ニッケルも一時15.51万元/tで過去最高値を更新した(2021年初の12.36万元/tから25.5%上昇)。同日、米ドル指数は下落傾向にあり、金属市場の価格を押し上げた。
錫については、2021年8月は東南アジア、特に世界の大半の錫鉱石を産出しているインドネシアやマレーシアで新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染が再び拡大、錫地金生産に影響を与え、錫地金の供給に短期的に影響が出る可能性が発生した。中国では主に新エネルギー自動車、太陽電池等分野で錫需要の増加が見込まれているが、価格による影響が末端産業にまで広がりやすいため、昨今の高値により2021年下半期は川下産業における錫需要は安定する予想である。よって、錫鉱石不足や末端需要による影響で、短期的に錫価格は高値を保ちながら変動傾向にあるが、更に高騰する要因には欠けている。
ニッケル鉱石の供給も、東南アジアのコロナ感染状況の影響を受けやすい。インドネシアの一部フェロニッケルプロジェクトはコロナ感染拡大により生産が遅れており、かつ、中国にとって最大のニッケル鉱石供給国であるフィリピンも、台風による影響でニッケル鉱石の出荷に影響が出る可能性がある。最近、ステンレス減産措置を徐々に実施しているが、新エネルギー電池及び電気メッキ向けのニッケル需要の伸びは依然大きいため、ニッケル価格を下支えしているが、価格の高騰要因が消えれば、今後ニッケル価格は下落する可能性がある。