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2021年9月22日 モスクワ 小松弘希

ロシア:財務省、製錬業に対する鉱物抽出税について収益の3~5%への引き上げを提案

 2021年9月14日付けの地元報道等によると、製錬企業に対する鉱物抽出税が約3倍、収益の3~5%となる可能性がある。同指針は、財務省が作成した「2022年及び2023~2024年の計画期間における予算・税・関税政策の基本方針」草案に示されている。アナリストによると、同シナリオにおける業界の税負担は年間100bRUB(ロシア・ルーブル)増加する可能性がある。同省は、鉱物抽出税引き上げが必要な理由として、近年の同業界の収益の高さに対する投資の少なさを挙げている。
 同省の上記「基本方針」草案によると、固体鉱物の抽出税は、国際的に収益の3~5%が一般的とされる一方で、ロシアにおける鉱物抽出税は収益の1~2%を超えない範囲に留まっている。
 2021年の金属価格上昇を受け、政府は既に8月1日からEAEU(ユーラシア経済同盟)域外への輸出向け鉄類・非鉄金属に対する輸出関税を導入している。同関税は、15%の基本税率と特定税率(製品の種類により異なる)で構成され、2021年12月31日まで適用される。2022年1月1日以降は、引き上げ後の鉱物抽出税が同関税に取って代わり、ロシアにおける同税率は国際的な金属価格に基づくものとなる。
 現在ロシアでは、ダイヤモンドと貴金属を除く固体鉱物には、固定税率で鉱物抽出税が課されている。2020年には税率が3.5倍に引き上げられ、年間の予算収入が56bRUB増加した。
 政府関係筋によると、現在、鉱物抽出税引き上げに関する税法改正が活発に論議されており、2021年9月20日に導入される可能性がある。これは、鉱物抽出税率に対する乗率を3.5から10に引き上げるというもので、これにより鉱物抽出税は約3倍となり、財務省が上記「基本方針」草案において示す水準と一致する。
 財務省は同草案の中で、2014~2019年の世界的な低価格環境下においても、非石油・ガス資源部門は高水準の超過収益を得たと指摘し、鉱物抽出税の引き上げを「超過収益分配の公平性向上」と称している。具体的には、過去10年間の営業キャッシュフローが13tRUBである一方で、資本投資は5tRUBであり、同部門の株主は6tRUBの配当金を受け取ったと強調している。また、超過収益の予算への配分は、石油部門の50~70%に対し、金属部門においては1~10%と低く、国際的な金属価格の上昇に伴い、この不均衡はさらに拡大していると指摘している。
 製錬企業関係者は、鉱物抽出税の引き上げにより、開発困難な鉱床の採算性が悪化するため、こうした鉱床は対象外とすべきだと主張している。
 VTB Capital社のアナリストは、政府が非鉄金属及び鉄類に対し貴金属と同様の鉱物抽出税率(6%)を導入する可能性が高く、この場合、上場企業の中ではNorilsk Nickel社とSeverstal社が最も大きな打撃を受けるとの見方を示している。
 また、格付け会社NCR(National Credit Ratings)のアナリストは、2020年、政府は鉱物抽出税により68.3bRUBの予算収入を得たとし、同税が収益の3~5%に引き上げられた場合、製錬企業の納付総額は180~185bRUBに増加するとコメントしている。

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