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インドネシア:HPAL製錬所プロジェクトの主要課題となった尾鉱管理
2021年9月20日付け現地報道において、ニッケル専門家のSteven Brown氏によると、尾鉱管理は、インドネシアの高圧酸浸出(HPAL)製錬プロジェクトが直面している重要な問題の1つである。同氏によれば、現在開発中のHPALプロジェクトの規模を見ると、安全に管理しなければならない大量の尾鉱が発生する。また、現在、ほとんどのプロジェクトでは、海底での尾鉱処理に否定的なイメージがあるため、この方法は採用されず、残る選択肢は、尾鉱ダムかドライスタックの2つである。しかし、テーリングダムとドライスタックのどちらの選択肢も、設置のために広大な土地を必要とし、ドライスタックの選択肢は最も安全な処分方法であるが、多くの材料の取り扱いが必要となり、状況に応じて最適な解決策を見つけるのは、プロジェクト会社の責任だとした。
技術的な課題に加えて、同氏は、「インドネシアでは鉱滓を有害廃棄物として分類する方法が複雑であるため、問題は複雑である。一般的なルールを、非常に特殊なニッケル尾鉱の状況に適用することは困難。そのため、最終的には尾鉱スキームの操業許可の取得が複雑になる。」と述べる。
中央Sulawesi州Morowaliでニッケル金属製錬工業団地を運営するPT Indonesia Morawali Industrial Park(IMIP)は、HPAL製錬所の原料となるニッケルラテライト鉱石の60%が鉱滓となることから、電気自動車(EV)用バッテリーの材料を生産する製錬所から予想される膨大なニッケル鉱滓を処理するための解決策がないことに懸念を示す。
また、Haritaグループは、同グループのフェロニッケルとHPAL製錬所からのニッケル鉱滓量が増加しているため、長期的な解決策を政府に求めている。
