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2021年9月27日 リマ 初谷和則

ペルー:エネルギー鉱山省、「社会的利益」やその測定に関する手引書を公開

 新政権は「社会的利益(rentabilidad social)」を有するプロジェクトを優先的に推進する方針を示してきたが、2021年9月16日、エネルギー鉱山省は「社会的利益」やその測定に関する手引書を以下のサイトで公表した。
https://www.gob.pe/institucion/minem/informes-publicaciones/2158313-la-rentabilidad-social
 本手引書では、鉱業プロジェクト実施に際して、企業が投資決定の重要な要素とするのが「経済的利益」(内部収益率(IRR)や正味現在価値(NPV)によって測られる)であるとする一方で、プロジェクト実施地域や政府が、短期的、中期的にどのような利益を得られるかを示すのが「社会的利益」であるとしている。
 その上で、「社会的利益」は、以下7つの基準について示される一連の質問に対する肯定的な回答の数によって測定されるとし、「イエス」の回答数が多いプロジェクトほど「社会的利益」がより大きいと評価されるとしている。
 ただし、プロジェクトのどの段階で「社会的利益」に関する測定や評価が実施されるのかや、具体的な制度が導入されるのかは、本手引には示されていない。

1.地域経済の活性化

  • 地域企業を対象とする購入や入札の数は、購入や入札全体の中で高い割合を占めるか?
  • 地域サプライヤーが将来的に質を高めより多くの参加機会を得ることのできる、能力向上や情報をもたらすか?
  • 地域における財サービス購入は、より付加価値の高いものであるか?

2.国庫収入、財政収支、国際収支

  • 所得税納付額は、国や地域にとって重要な金額か?
  • 間接税納付額は、売上高やその他操業規模に見合っているか?
  • 国外で融資を調達しているか、即ち国内市場に新たな資金をもたらしているか?
  • 事業実施や操業に際して、地元企業をパートナーとしているか?

3.雇用と賃金のレベルと質

  • 自社だけでなく、地元企業においても取引(注文、購入、入札など)を通じて雇用を創出しているか?
  • 従業員は、生産性に応じて給与を受け取っているか?
  • 従業員は、ILOが示す鉱業セクターにおける権利を享受しているか?
  • 従業員は、常にその専門分野に関する研修や講習を受けているか?
  • 地域従業員は、管理職に昇進可能か?

4.地域および国家的インフラ

  • 地域インフラ(道路、港、倉庫、通信、電力、保安、上下水道工事)に重要な改善をもたらすか?
  • 既存の道路インフラの渋滞を解消し、ヒトやモノの流れを改善するか?
  • 改善されたインフラに、あらゆる地域の経済主体は容易にアクセスできるか?

5.技術

  • 操業活動に際して、新しいプロセス(よりクリーン、有効、効率的など)を利用しているか?
  • 地域の技術者に対して、新技術についての研修を行っているか?
  • 研修を受ける技術者の人数は、地域の技術者全体の中で高い割合を占めるか?
  • 地域企業に対して、新技術を販売または移転をするか?
  • 地域企業をパートナーとしているか?また、これら企業は新技術にアクセス可能か?
  • 地域企業は、自社プロセスを変更し新技術を利用しているか?
  • 地域の科学者は、新技術をその他プロセスの新規変更のため利用しているか?
  • プロジェクト投資は、地域の様々な分野における新たな研究をもたらしたか?

6.所得分配、ステータスや権力構造

  • プロジェクト投資により、地域における所得分配は改善したか?
  • 開発から疎外されていたセクターの人々は、完全な権利と共に地域社会に統合されたか?
  • 恵まれないセクターの社会的活動は改善したか?
  • 民主化や市民参加は、明らかに進歩したか?
  • プロジェクトが所在する複数の地域間における格差は縮小したか?
  • 新規プロジェクト投資エリアにおける汚職レベルは縮小したか?

7.生態系と文化

  • 新規投資プロジェクトの実施地域における生態系は改善プロセスに入ったか?
  • グッドプラクティスは地域の他のアクターによっても模倣されているか?
  • 以前と同等またはそれ以上に文化的価値が推進されているか?
  • 新たに持ち込まれた嗜好や傾向は、地域文化にとってポジティブな形で吸収されたか?
  • 地域文化財の保護や振興を目的とする活動を実施したか?
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