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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2021年9月28日 リマ 初谷和則

ボリビア・アルゼンチン・チリ・米:国際戦略国際問題研究所が南米のリチウム三角地帯のレポートを発表

 2021年8月17日付けで、米戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies:CSIS)は、「南米のリチウム三角地帯:Biden政権の機会」と題するレポートを発表した。要点は以下のとおり。
・戦略的鉱物としてのリチウムの重要性は飛躍的に高まり、リチウム産業は2027年までに約8倍に成長すると予想されている。
・世界にある86百万tのリチウム資源のうち、ボリビアには21百万t、アルゼンチンには19.3百万t、チリには9.6百万tがあり、チリは経済的価値のある埋蔵量であるが、アルゼンチンやボリビアは不利な投資環境と厳しい地理的条件のためそうではない。
・アルゼンチンは景気刺激策として減税を講じ、投資環境が徐々に改善しており、同国へのリチウム産業への投資が今後数年間で増大することが期待される。他方ボリビアは、貧弱な投資環境のため、リチウム資源を経済的価値のある埋蔵量とすることに苦労している。Arce大統領は、Morales前大統領の時よりもリチウム資源を投資先として魅力的なものにする必要があるが、どのように取り組むかはまだ分からない。
・近年、中国はリチウム三角地帯への投資を増やしただけではなく、ワクチン外交を通じて関係を強化した。これらの取り組みにより、リチウム産業の支配を継続する可能性がある。また、COVID-19に襲われた地域経済を活性化させるためにも、米国はリチウム三角地帯の国々との関係を強化する必要がある。
・アルゼンチン、ボリビア、チリとの強力な官民パートナーシップにより、南米から世界へのリチウム輸出量が増加すれば、世界規模で炭素排出量が削減できるようになる。また投資促進は、リチウムイオン電池(LIB)の地域生産を刺激し、サプライチェーンの中国依存を減らすことにもなる。
・アルゼンチンとボリビアは、歴史的に米国とは不安定な関係にあるが、投資促進の取り組みが行われれば、二国間関係に大きなダイナミズムが吹き込まれる可能性がある。
・Biden政権は、リチウム抽出の環境への影響を削減するため、新たな抽出技術開発への投資を増やす必要がある。直接リチウム抽出(DLE)は、元のかん水の98%以上が維持されることが示唆されている。DLE技術開発への投資は、アルゼンチン、ボリビア、チリの既存の事業に使われるだけではなく、経済成長を刺激し、ラテンアメリカのパートナーに協力するという米国の長期的取り組みの一環となる。
 「South America’s Lithium Triangle: Opportunities for the Biden Administration」
https://www.csis.org/analysis/south-americas-lithium-triangle-opportunities-biden-administration

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